岐阜県揖斐郡の池田山麓には、110基以上の群集墳がある。これらは願成寺西墳之越古墳群として知られている。6世紀末から7世紀初頭以後に作られ、横穴式石室をもつ直径5~20mの円墳である。2021年に発掘調査報告書のデータを
Read moreVisions in Motion 12:走査(スキャン)
年一度刊行されている『IAMAS紀要』は、教員および外部執筆者による寄稿を中心にメディア表現研究を社会に提示し、その体系の礎となることを目的としている。 第8巻(2016)と第12巻(2020)は、クリティカル・サイクリ
Read moreVisions in Motion 11:洞窟探検
左半身を下にし、30センチほど進むとコンダクターからは仰向けになるよう指示された。下腹部に蠢く何かを感じながら、LEDに照らされる洞窟の中を右へ左へ慎重に進んでいく様子がモニター越しの映像から確認する。 70〜80センチ
Read moreVisions in Motion 10:島巡り
11月に瀬戸内の島々を巡る機会を得て、直島と小豆島について書いてみる(豊島や高松市内については省略)。岡山の宇野港よりフェリーで3kmほどで渡った直島は20年ほど前に訪れて以来だ。今年は芸術祭がない年であることや月曜日と
Read moreVisions in Motion 9:ルーティン
自転車に乗ることを、嗜好と実用の両立と考えるならば、コーヒーを飲むために焙煎することを、嗜好と実用の両立となぞらえて振り返ってみる。 筆者は2016年(クリティカル・サイクリング設立ととほぼ同時期)、ふと家にあったブリキ
Read moreVisions in Motion 8:虚実
我々は日常生活の中でどのように情報を受容しているのか? 筆者の関心の一つである「サイネージ」という分野を取り上げ、実践的に功罪を検証してみる。ここで「サイネージ」とは、交通標識や貼り紙、看板なども含んだ総称として用いる。
Read moreVisions in Motion 7:周辺視
写真を撮る時、画角を決める上で対象に近づいたり離れたり、ズームレンズを動かしトリミングする。比率は3:2にすることが多いが、Instagramの投稿では1:1にトリミングする。 佐藤雅彦『プチ哲学」(マガジンハウス、20
Read moreVisions in Motion 6:モーションブラー
残像効果について考えてみる。 20世紀初頭(1912〜1921年)、未来派に属していたジャコモ・バッラは『鎖に繋がれた犬のダイナミズム』によって絵画に初めて「動き」を取り入れた。マレーやマイブリッジによる連続写真撮影を分
Read moreVisions in Motion 5:脳内補完
再びモアレ(Moire)という現象を応用して、スリットアニメーション(Slit Animation)または、スキャニメーション(Scanimation)の原理を紐解き、プラクティカルな試みを行う。これらは見る人の脳内に自
Read moreVisions in Motion 4:バランス/アンバランス
生命レベルでは、私たち体内の60兆の細胞は絶えず入れ替わり、バランスを取りながらも、生から死へと進んでいる。形あるものが生まれ、形のないものへ壊れていく。そんなことを考えながら、あえて無目的に形を作ってみる(バランスを意
Read moreVisions in Motion 3:パンタグラフィー 線で描かれるもの
身体と動き(その拡張性や認知のズレ)について思いを巡らし、過去に実施したワークショップの経験を反芻してみた。 2018年11月「養老アート・ピクニック」というイベントでワークショップ形式の作品『パンタグラフィー 線で描か
Read moreVisions in Motion 2:トポグラフィー その場所を描く
何かしらの表現活動をする場合、動機となるものが必要だ。今回はとある建築様式のモチーフをとり上げる。 対象とする建物は名古屋城南にある1933年に竣工された愛知県庁大津橋分室。設計:愛知県営繕課(黒川巳喜、土田幸三郎)、愛
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