イギリス生まれの人類学者ティム・インゴルドのエッセイ「The Seat and the Saddle: How Slow Is Quick and Fast Is Stuck」と題したものがある。地域の再生にサイクリング
Read moreHangar(8) – 自転車格納庫のような店舗
自転車格納庫と聞いて、読者諸氏は何を思い浮かべるだろうか? おそらく、多くの人は無機質な金属の棚や、整然と並べられた自転車の姿を想像するのではないだろうか。それも自転車格納庫である。しかし、そうでなくとも自転車格納庫と等
Read more峠を越える儀式
京都市街地の北に位置する花背峠は、京都の自転車愛好家たちによく親しまれている峠道である。この道の古い歴史では、日本海から京都へと魚を運ぶのに使われたという通称「鯖街道」として、人々が行き交う道でもあった。 一般にはこの峠
Read more潮待ちの海を自転車で行く
日頃稽古を受けている能楽師の家中で、広島の鞆の浦で舞台をつとめる機会があるというので、昨年初めて末席に加えてもらったことがある。その能舞台というのは由緒のある神社の中にある野外能舞台である。いま日本国内でも能舞台は屋内に
Read moreHangar (7) – 解体から始まる自転車格納庫
Hangarとして選ばれる場所がどのような基準で選定されたのか、その決定プロセスや理由を明確にすることは重要である。これについて、様々な地方自治体における自転車駐輪設備のほか、自転車道の整備において、場所の選定が積極的な
Read moreHangar (6) – クラウドな自転車格納庫
コンピューターの世界には、クラウドサーバという技術がある。これは、インターネットを通じて遠くにある巨大なコンピューターの一部を借りて、利用するようなものである。大元のコンピュータが持つ計算機能やデータなどから、その一部を
Read moreHangar (5) – 路上の自転車格納庫
どこに駐輪場を設置すべきか、それは意外に難しい問題である。特に、自転車が頻繁に利用される都市部では、ただ道やルートを計画するだけではなく、それをどのように組み込むかが重要だ。 「ナショナルサイクリングロード」の要件には、
Read moreHangar (4) – 災害時における自転車格納庫の新たな役割
1995年、寒い明け方に阪神淡路大震災が発生した。以来、私たちはいかに脆弱な日常のインフラに依存しているかを思い知らされ続けている。水道、電気、ガスといったライフラインの断絶はもちろんのこと、通学路、通勤路として当たり前
Read moreHangar – 新しい自転車格納庫 (3) 空間のデザイン
自転車を停めるためには、その場所にいくつの、何枚の、壁や囲いが必要になるだろうか。空から降ってくる雨から自転車を守るためには、天井が一枚あると良い。その屋根の下に自転車を停めることができれば、自転車が雨に濡れたり、サドル
Read moreHangar – 新しい自転車格納庫 (2) ライト兄弟の格納庫
ライト兄弟が初めての動力飛行を行った場所は、ノースカロライナ州キティホーク近郊にあるキルデビルヒルズという、砂丘の広がる丘陵地帯だった。そこから4kmほど北のキティホーク町にある郵便局兼住居に、ウィルバー・ライトとオーヴ
Read moreHangar – 新しい自転車格納庫 (1)
Hangar (ハンガー) は、自転車のための駐輪場である。ただし、駐輪するだけではなく、整備や修理などをはじめとした自転車の運用にとって快適な、未来の自転車社会に貢献する創造的なプロジェクトである。 自転車は個人の移動
Read more自転車実走の線 – 活動報告
2022年4月から2023年3月までの1年間、萌芽プロジェクト「プラクティカル・サイクリング」の外部研究員という役割を得て、自転車で実際に走行を行うという調査を行った。 調査する対象は、走る道、道そのものである。 サイク
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