クルマの役割のひとつに自転車を乗せることがある。これで混雑する市街地を避けたり、自転車では難しい遠方まで出掛けたりできる。このとき、ルーフ・マウントなどのキャリアを利用する他に、自転車をそのまま車内に収めることもできる。ここではテスラ(Tesla)の中では一番小さく、大きな荷物が載せにくいセダンであるModel 3での、自転車の車内搭載を見てみよう。
Model 3のリア・トランクは広いので、折り畳んだBromptonを積んでも余裕がある。カバーを取り外すと現れるカーゴ・エリアにも載せられる。トランクに縦置き、あるいはカーゴに横置きができると良いのだが、それだけの空間はない。それでも、リア・トランクにBromptonが2台は載るし、積み重ねれば4〜5台は載りそうだ。ただ、誰もが期待するフロント・トランクは少々狭く、Bromptonが収まらない。
普通自転車の半分サイズを謳うHalfbikeは、横置きにすればリア・トラックに余裕で入る。少々窮屈になるが左右半分に収まるので、2台格納することも可能だろう。さらにリア・シートを畳んでトランク・スルーにすれば縦置きができる。この場合は前後にずらして3台は収納できそうだ。当然のことながら後部に人が座れないので、乗員は2名だけになる。
流石にロード・バイクはリア・トランクには収まらないものの、トランク・スルーにすればそのまま簡単に搭載できる。前輪を外したり、カーゴ・スペースを利用すれば、さらに収納効率が良くなり、ロード・バイク2台も問題ないだろう。試していないが、マウンテン・バイクやママチャリも載りそうだ。ただ、自転車が重たければ、持ち上げて入れるのに苦労する。自転車は小さく軽いことが正義だ。

このように荷物運搬のイメージがないModel 3ながら、意外と自転車を載せられることが分かった。小さいとは言え、メルセデスのCクラスなどよりも大きいので、さもありなんと言ったところか。よりサイズが大きく、ハッチバックであるModel SやModel Xなら、さらに簡単に多くの自転車が積めるはず。そして本命はCybertruckだろう。静かでクリーンなEV車はレースのサポート・カーにも最適だ。
ともあれ、市街地の混雑を避けるためにクルマを使うのは、毒を以て毒を制するようなもの。だが、クルマを超越しようとするテスラなら許容できる。いつかライドに疲れたら、テスラが迎えに来てくれるだろう。今でも駐車場であれば呼び出した場所までやってくる。自動運転の先を行く無人運転だ。クルマはAIに任せて、私たちは自転車を楽しむ。それでこそ正しい人とクルマ、そして自転車との関係だと言える。
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