ちょっこっと雪と戯れる、近場のお山サイクリング

市街地でもうっすら積もるくらい雪が降った週の終わり、友達二人(ダイゴマン、マクロス)と近くの山へサイクリングに出かけた。行ってみると期待していたほど雪はなかったけれど、色々な状態の路面を経験し楽しく遊ぶことができた。以下にその断片を記録しておく。

グリグリ登る

朝、山の近くまで輪行し、駅前の日向で自転車を組み立てる。空はよく晴れて予報通りポカポカ陽気になり、この時点でもう暑いくらいだった。重ね着を最小限にして、川筋を街道から林道へ登っていく。心配していた日陰の路面凍結はなく、林道に入ってからの雪も思い描いていたよりずっと少ない。

疲れて歩くマクロス

林道の前半は舗装路で、車の通行もたまにあるらしくアスファルトの露出した轍が続いている。雪の残った部分もカリッと締まった状態ではないため、わざわざそこを走る気にはならない。しばらくは実質オンロードサイクリングだ。とはいえここの登坂は長さも斜度もそこそこあり、フロントインナー26T/リア16T(のみ)=1.625という変速構成の自転車で来たマクロスは途中でバテて押し歩きが増えた(でも歩きが妙に速い)。

少し雪が増えてきた
撮影:ダイゴマン

自分は柳サイクルのオーダー車Cozmoで出ようか迷ったものの、前後ブロックタイヤでフロント32T/リア32T=1.0が使えるCoveのクロスカントリーMTB(リジッド仕様)にしておいた。サドルに腰掛けたままスルスル漕ぎ上がれるギア比はやっぱり楽でいい。ダイゴマンも下は1.0が使える構成ながら、腰を上げて少し重いギアを踏んでいたようだ。

All terrain bikes(全地形自転車)色々

登っていくにつれて雪も徐々に増え、路面が露出していない箇所も多くなってきた。雪の踏み締められた轍をなぞるのが進む上では最も楽だが、グリップはアスファルトよりずっと低くなる(といってもツルツルではない)。雪の「壁」にタイヤが触れると一気に挙動が崩されるので、幅30cmそこらの轍の中にしっかり留まりながらクランクを優しく回し続ける必要がある。バランスの維持調整のため、腹斜筋などの体幹筋にじわじわと負担がかかる。普段あまり味わえない感覚で、しんどさもあるけれど面白かった。

久々に山に連れてきたCove
撮影:ダイゴマン

路面はやがて未舗装になり、尾根に近くなったことで眺望も開けてきた。そのぶん陽当たりもよくなるからか、積雪量は場所によって多かったり少なかったり。雪と砂利、轍とそれ以外でグリップや抵抗が違ってくるので、スピードはゆっくりでもコントロールの仕事は忙しく、楽しい。進むための基本はやはり轍キープだ。こういう登りでは、前輪が極低速域で倒れ込まない、ヘッドがやや立ち気味の車体の方がいいかもしれない。

マクロスが空腹を訴えて補給タイムを取ったポイント

尾根の直下に着いたのが11:30。北側に抜けて別の里に降りるプランもあったが、今回は尾根でランチタイムを過ごしてから来た道を帰ることになった。そうすると自転車はデポして徒歩で尾根に上がるのが最も楽な選択となる。でも実際は「せっかくだから雪のトレイルで自転車遊びしよう」という流れで、乗れるところなんてほとんどないと分かっているのに担ぎが始まる。

何か罰を受けているようにも見えるけど楽しいです
撮影:ダイゴマン

尾根に取っつく急登でその車体の担ぎ具合を探り(思い出し)、雪を被った地面に靴底をぐっと押しつけて丁寧に歩く。前を見るとダイゴマンが自転車の前三角に頭を入れ、ひょいひょい先に進んでいる。この方式は重量バランスは最良だが体勢が崩れた時のリスクも大きいので、自分とマクロスは両肩をトップチューブ下にあてるスタイルで後に続く。

20メートルくらい乗れた
撮影:ダイゴマン

尾根筋のどこでランチにするか、の候補が「あそこまで登ればもっと眺めがいい」との声とともにどんどん高い方へズレていく。わずかな平坦区間で自転車を降ろし、小走りより遅いくらいのスピードでウホウホ乗る。そしてまたすぐ自転車に乗られる側になる。いいんだ、いつもありがとう。

軽量化最優先のMuddy Foxは担ぎ易そうだった
よく陽が当たるこの急斜面には雪がなかった
撮影:マクロス

周囲の山々を見渡せる小ピークで腰を下ろし、服を着込んで食事をとる。自分はカレーメシ(限定コラボ的なやつ)とぜんざい、紅茶。

元はダイゴマンが乗っていたAraya Muddy Fox
Yanagi Jager
撮影:ダイゴマン

復路はそれぞれ簡易アイゼンやチェーンスパイクを装着し、トレイルでの乗車も往路より多めに楽しんだ。チェーンスパイクでもそこまで違和感なくペダルを踏めたのは発見だった(土踏まずに爪を生やす簡易アイゼンでは経験があった)。林道は上りとは別物の感触で、自分のMTBが最も余裕を持って走れたように思う。途中でちょっと自転車を取り替えっこしたが、ヘッドの立ったマクロスの泥狐は雪上ではステアリングが過敏で恐ろしかった(本人は平気な顔で乗っていた)。

林道をスルスル下る

下り向きの車体ではないのに、マクロスは何か急いでるかのように先へ進んでいく。こんなによく登ったな、と思いながら、みるみるうちに里に近づいていく。風の暖かさに驚きながら駅に着いたのは15時前だった。

2 comments

  1. 雪ライドは興味津々ながら本格的には試せていないので参考になりました。皆さんタイヤは太いのでしょうか?

    1. タイヤの太さは40mmから55mmくらいまで割とバラバラでした。それぞれ手元の車体を持ち出した形なので、必ずしもベスト機材というわけではないんですよね。また、今回のような中途半端であれこれ入り交じった路面状況だと何が正解とも言えないと思います。なお自分も雪ライド経験はごく限定的です。

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