昨今のAIブームの中でも特にテキストからイメージを生成する技術(Text-to-Image)が注目されている。何しろ簡単な言葉を入力するだけなので手間要らず。しかもそれっぽい高品質の画像が次々と現れるので、ワクワクドキドキしながら楽しめる。すでに本サイトでもイベント広報に活用したり、紹介記事が公開されている。今回は最近注目されているDreamStudioとMidjourneyに車輪動物を描いてもらおう。
車輪動物とは文字通り「身体器官として車輪を持った動物」だ。スティーブ・ジョブスが紹介したように、人間は運動能力が低いものの、自転車に乗ることで極めて効率的に移動できるようになる。それほど自転車が素晴らしいなら、進化の過程で車輪機構を獲得した動物がいても良さそうなものだ。しかしそのような動物は存在しない。そこでAIなら車輪動物を想像あるいは創造できるかもしれない。
DreamStudio
DreamStudioはStability AI社が開発し運営する画像生成AIのStable DiffusionのWEB版で、数日前にベータ版として公開されたところだ。Stable Diffusion自体はオープン・ソースであり、他の類似したAIに比べてよりリアルで精緻な画像を生成するとされている。それでは車輪動物はどうであろうか? パラメータはデフォルトのままで、何種類かのテキストを入力して画像を生成していこう。
Midjourney
次にMidjourneyだ。これは同名の研究所が開発したテキストからイメージを生成するAIで、チャット・サービスのDiscord上で動作する。一般公開されたから1ヵ月ほど経過しており、挿絵や漫画から家具や建築まで様々な応用が行われている。Midjourneyは生成された画像のバリエーションやアップスケール(高解像化)ができるので、ここでは画像を発展させながら、車輪動物を探っていきたい。
以上の結果を比べると、DreamStudioよりMidjourneyのほうが架空動物の創造能力が高いように思える。ただし、いずれも単純なテキストしか与えておらず、より効果的な呪文を詠唱すれば結果は大きく違うだろう。現時点では2次元画像の巧妙な合成だが、いずれ3次元モデル化され、アニメーションも可能になるに違いない。さらに内部構造を持ち、進化系統を取り込んで、限りなく現実に近づくはずだ。
for inspection, imaginary gardens with real toads in them, shall we have
”Poetry” by Marianne Moore (1887-1972)
it. In the meantime, if you demand on the one hand, in defiance of their opinion—
the raw material of poetry in
all its rawness, and
that which is on the other hand,
genuine, then you are interested in poetry.
DreamStudioもMidjourneyも簡単な手続きで利用することができる。最初の何枚かは無料で生成できるので、気軽に試してみて欲しい。その可能性の高さとともに、様々な危険性にも気がつくだろう。最後にMidjourneyでバリエーションを何度か繰り返して得られた画像を挙げておこう。想像の庭に棲む本物の蛙のように、AIの生態系に棲む本物の車輪動物が現れただろうか?
【追記】DreamStudioの作例に「Illustration of an animal with wheels as bodily organs(身体器官として車輪を持つ動物のイラスト)」を追加しました。(2022.08.30)
【追記】人為的に動物に車輪を与えた事例があった。前脚を失った90歳の亀に模型飛行機の車輪を取り付けたところ、以前より2倍の速さで移動できるようになったそうだ。DreamStudioが生成した画像に似ている。(2023.03.27)
【追記】ChatGPTがDALL-E3と統合されたので「生体器官として車輪を持った生物をフォトリアリスティックに描いてください」とのプロンプトで画像を生成した。(2023.10.12)
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