本棚にある書籍を円環状に配置し、中心からの視点と外側からの視点の違いによって生まれる感覚の面白さの追求を試みた。18冊の書籍を用いて、背表紙を中心に配置した場合と、背表紙を外側に配置した場合との、2パターンをiPadで撮影してみた。「フォトグラメトリ」という技術を用いて、さまざまな角度で25枚の静止画によって書籍の位置関係を空間内で合成している。
ところどころ穴が空いたり、本と本とがくっついているのは撮影時に死角となってしまい、辻褄を合わせるためアプリが苦慮したのだろう。今回使用したのは、複数ある3Dスキャンアプリの中で手軽に視点を設定してムービーに書き出しができる「Metascan」といアプリ。手元にあった自立できる厚みのある書籍を選んだため、自転車関連のものは含められなかった。
さらにフォトグラメトリより素早くスキャンが可能な「LiDAR」という距離センサーを用いた「SCANIVERSE」を試し、外側の斜め上部からの視点で映像を書き出した。空間内でスキャンしたオブジェクトは、撮影後に視点を変えて見ることができる。撮影枚数を増やしたり、撮像素子の大きなカメラで高解像度撮影をすれば、より精細な3Dデータを生成できるだろう。新たな「仮想本棚になるのか」といった妄想を楽しみながら。
3Dデータ:SCANIVERSE|METASCAN
参考:iPad ProのLiDARで路面スキャン(2020.08)