自転車建築(25)スマホ版体験キットを作るⅥ

今回も、自転車建築キットの開発進捗を報告する。

前回に引き続き、スマートフォンを用いた自転車建築体験キットのデザインを進めている。劇的な変化ではないが、少しずつ改善を重ねている。

今回の主な改善点は以下の2つだ。

1. カメラ位置調整機構の追加

様々な機種のスマートフォンに対応するため、カメラの位置を柔軟に調整できる構造を導入した。これにより、カメラ位置の異なる様々なスマートフォンに対応可能なプロダクトになった。

スマホ固定部を横にスライドしてカメラ位置を調整できる

2. カメラ部分への覆いの追加

カメラ周辺の隙間を覆い、余剰な光の入射を防ぐためのカバーを新たに設計・取り付けた。この覆いはスマートフォン本体をしっかりと保持する役割も果たしている。

現段階では、ネジが丸見えになっており、プロダクトの雰囲気を損ねてしまっている。これは今後、必ず改善しなければならない。こうした経験を通して、世の中のプロダクトがいかにデザイナーの工夫と配慮によって作られているかを実感する。あらゆる人工物から人間の知性の片鱗をズキズキと感じ取るようになった。

また、3Dプリンタで模型を制作するようになってから、空間の精度が飛躍的に向上した。特に、曲面を用いた造形が容易に実現可能になったことで検討可能な空間のバリエーションが増えた。

曲面壁が醸し出す美しさには、思わず見惚れてしまう。

ただし、音響性能の低下が課題として挙げられる。模型の素材がボール紙からプラスチックに変わったことで、音が軽くなったことに加え、ハンドルに固定する構造がまだ検討中なのだが、振動による揺れが小さな軋み音を生み出してしまっている。

胸キュンするレベルのプロダクトを目指して、機能と美しさが響き合う形の試行錯誤を続ける。

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