岐阜羽島駅から歩いて数分の場所にある、自転車関連施設BLOCK47内にあるDIYモノづくり工房にて溶接体験をしてきた。私は溶接に関して全くの素人だ。自転車フレーム自作への思いを募らせていたのもあって、かねてから溶接をしたいと思ってはいた。しかし、知識と設備のどちらも持ち合わせていなかったので、今まで手を出せずにいた。体験では溶接素人の私がアルミ素材を溶接し、ボトルケージの制作を行なった。
今回の体験で講師を務めてくださった岩崎さんは、東京サイクルデザイン専門学校を卒業されており、岩崎さんが制作した自転車を拝見したが、ユニークで機構とシルエット共に秀逸な自転車であった。自転車のフレーム制作を通して溶接技術を磨いてこられ、優れた溶接技術の持ち主である。
今回の溶接体験では、自転車に取り付けることで、飲料ボトルを収納可能にする自転車アクセサリーであるボトルケージ(ドリンクホルダー)の制作を行った。体験で制作するボトルケージの素材はステンレスかアルミを選択できる。今回は軽量かつ簡単にボトルの形に合わせることができるアルミを選択。アルミはボトルケージだけでなく、自転車フレームでもポピュラーな素材だ。今回アルミを溶接できたのは、自作フレームの制作をしたいと考えている私には嬉しい点であった。アルミの溶接では、メジャーかつ高い接合強度を持つ優れた溶接方法であるアーク溶接を体験した。アーク溶接はアーク放電という強い熱と光が発生する放電現象を発生させ、金属を溶かして接合する溶接方法だ。アーク溶接は強い熱と光が発生するため、注意すべきポイントが多数ある。しかし、体験では講師の指導に加え、防護服、遮光マスク、革手袋などの防具も揃っているため、初心者でも溶接を安全に行うことができる。
ボトルケージ制作では、アルミの部材の継ぎ目部分をまっすぐなぞるように、部材同士を溶かしながら接合する。何ということのない作業に思えるが、部材を溶かす際には、強い光を発するため接合部が見えずらく、まっすぐ一定の速さで電極を動かすのはなかなか難しい。しかし、講師の岩崎さんのサポート、アドバイスに加え、本番のボトルケージの制作の前に練習用の部材も用意されており、溶接の感覚を掴んでから本番に挑むことができるので初心者でも安心して取り組める。
今回の体験で人生初めての溶接をした。難しいというのが率直な感想ではあるが、講師の岩崎さんの手厚いサポートのおかげでアルミの部材をしっかりと接合することができ、全体で1時間半ほどの時間で溶接を施したオリジナルのボトルケージを制作することができた。制作物のボトルケージは勿論、普段から使用している自転車に取り付ける予定だ。
今回の体験では、初めての溶接でボトルケージという一つのモノを制作することができた。溶接で実際にモノを作る経験をできたのは、全くの素人だった私には大きな一歩だ。この体験を足がかりに、自転車フレームの自作に向けて溶接を引き続き学んでいきたい。溶接は初心者が始めるにはハードルが高く、私のように関心はあっても、初めの一歩が踏み出せてない方が多いだろう。BLOCK47の溶接体験では、素材や設備があらかじめ用意され、安全面も考慮された環境が整っている。加えて、講師の手厚いサポートを受けながら溶接体験をできるので、初心者の第一歩として是非お勧めしたい。
来店での申し込みも可能だが、タイムスケジュールや作業スペースの関係上、電話か予約ページで事前に申し込みをすることをお勧めする。