AppleマップとYahoo!マップで自転車ナビゲーション

2022年5月27日にApple Maps(Appleマップ)が、そして6月2日にはYahoo! MAP(Yahoo!マップ)が自転車でのルート検索や走行ナビゲーションに対応した。先行するGoogle Maps(Googleマップ)が現時点で10都道府県限定であるのに対して、これらは日本全国どこででも利用可能。そこで自転車のハンドル・バーにスマートフォンを取り付けて、AppleマップとYahoo!マップを試してみた。

いずれも目的地をテキストで検索するか地図上で地点を指定してルート検索を行う。Appleマップでは3つのルートが示され、それぞれの特徴や距離、所要時間、高度グラフなどを比較して選ぶことができる。高度グラフは自動車や徒歩では表示されないので、自転車ならではの機能と言える。これに対してYahoo!マップでは、ただひとつのルートが示され、関連情報は距離と所要時間だけ、と潔い。

よく知っている生活圏内でルート検索を行ったところ、Appleマップが示すルートは脇道を使った最短ルートであり、妥当な提案に思われた。一方、Yahoo!マップのルートは幹線道路が多く、大回りする傾向があった。これは自動車の交通量が多い道路であり、必ずしも自転車レーンが整備されていない。つまり、あまり走りたくないルートと言える。

走行中のナビゲーションはターン・バイ・ターン方式で、いずれも分かり易く表示される。音量を上げていれば、曲がり角などのアナウンスは十分に聞き取れる。Appleマップは音声だけだが、Yahoo!マップは最初にチャイムが鳴るので気が付きやすい。いずれもルートを外れると瞬時に代替ルートになる。ただ、延々と間違いかねないので、軽くアラームが鳴るオプションがあると良さそう。

遠方の目的地を含めて何度かナビゲーションを利用したところ、Appleマップは自転車で走り易く、かつ楽しかった。これは脇道が多く交通量が少なく、ルートが変化に富んで刺激的だからだ。自動車では脇道が多いと困惑するが、自転車では楽しく思えて愉快。それだけにYahoo!マップでは交通量が多くて安心して走れず、直線的で単調なのが面白くない。施設の裏口に案内されたこともあった。

もうひとつ重要なのが所要時間の予測。Appleマップでは自転車の速度を15〜18km/hに想定しているようで、これは筆者の走行に近く、予測された時刻に大差なく到着する。一方、Yahoo!マップは8km/h程度と遅く、予想所要時間は長くなる。これはママチャリなどでゆっくり走る速さだろう。ナビゲーションして走るうちに機械学習して補正するのだろうか? 少なくとも自分の速度を設定したいところ。

自転車を頻繁に利用するなら、Appleマップの設定で優先する移動手段を自転車にしておこう。他にも自転車でのルート検索で、坂道や交通量の多い道路を利用しないように設定できる。Yahoo!マップでは自転車に関する設定がない。ただ、直前に利用した移動手段が次にも使われるのは使い勝手が良い。さらに雨雲レーダの表示は気が利いている。風速風向など更なる情報の統合も望まれる。

以上のように何度かルート検索やナビゲーションを利用したところ、Appleマップは必要十分な機能を持っており、使って楽しいと思えた。しかし、Yahoo!マップは荒削りであり、改良の余地が多々ある。かつて絶大な人気を誇ったルートラボ(ALPS lab)を買収したYahoo!の矜持を見せて欲しい。そしてGoogleマップも、いずれ全国対応となるだろう。こうして三つ巴の機能向上と洗練が進むことを期待したい。

こうなるとGarmin Edgeなどの専用サイクル・コンピュータは立場がない。実際にもルート検索やナビゲーションは貧弱だし、価格も訴求力がない。圧倒的な処理能力と強力なOSを持つスマートフォンは、すでにカーナビを駆逐しつつある。自転車でも同じ様になるに違いない。すべてはスマートフォンの周辺機器だから、取り得る生存戦略はCarPlayならぬBikePlayだろうか。

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。