RSAサンバッグスでオリジナル・バッグを作る

BESVのJG1用に独自のデザインによるオリジナルのフレーム・バッグを作っていただいた。それはバッテリーを格納するフレームの形状が特殊だからだ。ドリンク・ボトルの出し入れのために後方を空けておきたいといった要望もある。そこで、ラフなスケッチを描き、段ボール紙と養生テープでモックアップを作ってみる。しかし、これに近い既製品は探せど探せど見つからないでいた。

そこで知人が推薦してくれたRSAサンバッグスへ出かけた。自転車用バッグの専門店で、オーダーメイドも可能と言う。店舗の棚には明るい白ヌメ革で縁取りしたカラフルな帆布のバッグがずらり。ランドナーに似合う伝統的なツーリング・バッグがお得意なのだろう、旅情に誘われる。他にも革ジャケットや手袋といった手作りの品が並び、広い工房からは静かな熱気が伝わってくる。

JG1を持ち込んで採寸していただきながら、フレーム・バッグの要望を伝える。フレームの形状に合わせて安定して固定できるとともにともに、外観はシンプルに目立たたないことを希望する。機構としては両側二辺がファスナーで開き、その内側にスマートフォン用のポケットが欲しいことを伝える。そしてサンプルを見ながら素材と色を決めて、概算費用を見積っていただく。

多忙な時期なので、取り掛かるまで日数がかかると聞いていたところ、1ヶ月ほど経った頃にスケッチが送られてきた。これで雰囲気は分かるものの、実際のサイズは分からない。採寸されたので問題はないだろうと思いつつ、念のために先のモックアップ写真を伝える。また、下部のベルトはダウン・チューブに留めにくい位置だったので、モックアップの養生テープあたりを提案する。

このような遣り取りをしてサイズ確認が済むと、なんと翌日に仕上がりましたとの連絡をいただいた。依頼していた簡単な製図(展開図)がなかったので、意図が伝わっているか一抹の不安が胸をよぎる。ともあれ、実物を確認するしかないので、自宅からRSAサンバッグスまで約30kmのサイクリング。店主にして凄腕作家の足立一雄さんに満面の笑顔で迎え入れられた。

取り付けたバッグは、まさにジャスト・サイズ。お任せであった横幅は足が当たらない程度に広く取られている。装飾的な意匠も違和感がなく、上品に控えめに存在を主張する。素材は66ナイロンオックスのPVCコート、つまり防水加工されたバリスター・ナイロンで、止水ファスナーや開閉時の補助フラップなども抜かりない。心配していたスマートフォンの格納もバッチリ。バッテリーのカバーも開閉できる。

このようにして満足度が高いバッグが完成した。しかも、バッグの打ち合わせよりも自転車談義が長く、楽しい時間を過ごした。実はBLOCK47でのバッグ作りのセミナーなどを打診する目的もあり、前向きに考えていただけそうだ。ただ、今回のバッグは至宝の職人技であり、素人には真似ができない。となるとバッグを簡易化してワークショップを考える必要がある。さて、どうしたものか。

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