Critical Cycling展 2017 Winterでのトーク

2017年2月26日に「情報科学芸術大学院大学第15期生修了研究発表会プロジェクト研究発表会(IAMAS2017)」の一環で、クリティカル・サイクリング主要メンバーによるトーク・イベント「自転車について私たちが知っている二、三の事柄」を開催。結成の話から今後の展望、活動の思い出などメンバー一同会話を楽しみながら語った。今回はトークショーの内容を話した言葉通りに掲載する。会話からクリティカル・サイクリングの活動内容とともに、普段の雰囲気を感じ取っていただけると思う。

 

湯澤大樹(IAMAS修士1年):皆様本日はIAMAS2017へご来場ありがとうございます。本日は「信長vs」というイベントで「信長vsクリティカル・サイクリング」ということで。我々クリティカル・サイクリングという研究をやっておりまして、そこで昨年度の1年間の活動を振り返りつつ、これからの活動についてメンバーと話していければと思っております。まずはじめに、本日初めてのお客様もいらっしゃいますので、クリティカル・サイクリングとは何なのかということをですね、ご説明いただきながら、昨年4月からの立ち上げのお話をお聞かせいただければと思っております。

赤松正行(IAMAS教授):あ、私ですか、きっとね。

湯澤:はい、お願いいたします。

赤松:はい、赤松正行といいます。IAMASで教員をしております。よろしくお願いします。クリティカル・サイクリングというのは、クリティカルは批評とか考えるとか、そういう意味です。サイクリングはもちろん自転車で乗るということですね。自転車自体が結構面白いなあとは思っていたんですけど、ただ実際自転車に乗っていると、例えば身軽に重たいもの持ちたくないとか、あるいは自転車自体もすごく精巧な機械ですから、いろんな風に自転車に乗ることでいろんな問題や面白いことが見えてくるんじゃないかなという風に考えて。それで逆に自転車に乗ることからいろんなことを発想しようと思ったわけです。それでいろんな人に声をかけたら意外と面白がってくれて、それでこの4月からこういう活動が始まったという、そういう感じです。

湯澤:メンバーとしては我々1年生3人なんですけども、まず自己紹介から。私修士1年の湯澤大樹と申します。一応自転車部部長みたいな。ははは。

赤松:あ、部長なんだ。知らなかった。

湯澤:初めて言いました。

後藤祐希(IAMAS修士1年):どうも1年の後藤祐希と申します。私は論文卒業を目指しているので、批評を主にやっていけたらと思っております。

赤松:副部長なの?

後藤:いえ、ではないです。

湯澤:マネージャー・・・?

後藤:マネージャーです。副部長は今からの方ですね。

綿貫岳海(IAMAS修士1年):副部長の・・・

赤松:あ、副部長なんだ。

綿貫:多分そうです。M1の綿貫岳海と申します。僕はもともとそんなサイクリングをすることはなかったんですけど、大垣に来てからすごい赤松さんに連れてってもらって。もうかなりどハマりをしているということで、参加させていただいています。

湯澤:はい、まずはここで昨年のはじめにですね、すぐ入学してサイクリング部が始まったんですけども、その時のお話をスタート段階としてちょっと赤松さんからですね、どのようなライドだったかをお話しいただけたらと。

赤松:そうですね。特に一番のクライマックスは金生山ですよね。

湯澤:そうですね。

赤松:金生山というのがこのすぐ近くにあるんですけど、すごいそれ自体が面白い山なんですが、山に向かってすごい急な坂があるんですね。ちょっと普通の人じゃ登れないし、歩いてても怖いくらいの急な坂なんですけど。そういう坂があるよっていう話をして、その坂を自転車で足をつかずに登れたらお昼をおごってあげるよと僕が言った。で、登れなかったら僕にお昼おごってねって言って。で、やったというときはこういう坂なんですね。これどうでした?

湯澤:もう話を聞いている段階ではまあおごってもらえるだろうな、くらいの軽い気持ちだったんですけど、始まって30秒くらいでですね。もうなんていうんですかね、息も吸えないような状態になりまして。結果僕、赤松さんにご馳走するっていう、そういう結果だったんです。

赤松:美味しいお蕎麦を頂きました。

湯澤:その時綿貫さんも一緒で、かなり上の方まで行かれましたよね。

綿貫:かなりしんどくて。本当に話に聞いてた時はまあいけるだろうと思ってたんですけど。高校時代僕アメリカンフットボール部で日本一の高校なんですけど、練習量もすごいきつくて、その時の練習を思い出すような体の痛さを感じながら・・・

赤松:日本一の高校なのに、登れなかった。

綿貫:そうですね。

赤松:よっぽどすごい。本当にすごいんです。なんというか、登ってたらひっくり返るんじゃないかと思うくらい急な坂なんで。

湯澤:でも最近赤松さんは・・・

赤松:そうそうそう。僕も登ったことなかったんですけど、先月初めて登り切りました。コツがあって、頑張っちゃダメなんです。ゆっくりゆっくり普通に歩くかのようにあがっていくと登れました。だから頑張るとダメだというのは言葉としてはそういう話はよくあるんですけど、実感しました。そういうのが色々学べるのが自転車のいいところかもしれない。

湯澤:そうですね。登った時また私ご馳走して。2回目でした。

赤松:そうですね。だから僕奢ってもらってばっかりって感じ。

湯澤:いやいや普段すごいご馳走になって・・・

綿貫:ははは、それは私情・・・

湯澤:その次のライドとしてはマンハッタン構想というのが。

赤松:そうですね。羽島の方と、羽島っていう隣の町があって、そこの方とまちづくりをされている方と一緒に割と20人くらいかな。で、周辺を回ったり、羽島の土地をどんなものがあるかとか。古いものがいっぱいあるので。自動車だとこう通り過ぎちゃうようなところも自転車だと結構じっくり見ながら走れるので、そういう楽しみもありましたね。鎌倉時代の道が残ってたりとか、そういう古街道ですよね、古い街道が残ってたりしました。

湯澤:渡し舟も・・・

赤松:渡し舟も乗りましたね。

湯澤:綿貫さんもその時参加して。

綿貫:はい、そうですね。渡し舟、川を越えてくあれですよね。なんかこう旗を・・・

赤松:そうそう。旗をあげると船がやってきて、対岸に運んでくれるっていうのが今も残ってるんですね。2か所残ってる。無料なんです。それは要は橋の代わりなんです。橋をつける代わりにかつては船で渡ってたものが残ってて。だから公共交通機関で、なおかつ無料で乗れます。なのでそれも楽しい。で、そのまま自転車を船に乗っけて、そのまま渡って。多分1キロくらい結構大きな川なんですけど渡れますね。

赤松:(写真を見て)あ、そうそう。ああいう感じですね。

綿貫:自転車がぎゅうぎゅうに小舟の中に・・・

赤松:そうそう。こんな乗れるんだっていうくらい乗りましたね。こういう楽しい、単に自転車で走るだけじゃなくて、自転車にまつわるいろんな楽しい道や場所が結構たくさんこのあたりにありますね。

湯澤:そのあとは琵琶一という琵琶湖を一周するイベントを。結構時間かかりますよね。

赤松:でも行ってたっけ?行ってなかったっけ?

湯澤:琵琶一は行ってないんですけど、そのあと琵琶湖までは行っております。

赤松:ここから琵琶湖まではだいたい40キロくらいなので、頑張れば2時間か3時間で琵琶湖まで行けるんですね。僕も自転車乗る前までは琵琶湖ってすごい遠いところのような気がしてたんですけど、割と朝例えば8時に出ればお昼前に余裕で着いちゃいますね。

湯澤:何かあのー、途中夏なんかは水浴びしてキャッキャしながら・・・

赤松:そうそう。暑いから水を浴びながら走って。そうするとしばらくすると蒸発しちゃうんで、また水をかけながら走るっていう。そういうことをやります。

湯澤:結構琵琶湖が遠浅なんで。

赤松:そうそう。そのまま琵琶湖に突っ込んだりとかね。その時の写真もあるんじゃない?

湯澤:あまりにも赤松さんが奥に行っちゃうので、流されちゃうのかなと心配になりました。

赤松:琵琶湖の周囲をだいたい160キロくらいあるんですけど、そこをぐるっと回るのが観光ライドみたいな感じで割と宣伝してるんですど。それに挑戦したんですけど、挑戦した時は途中ですごい雨に降られたので、雨に降られるとちょっと辛いので、その時は断念しました。

湯澤:その時綿貫さんって琵琶一はまだですよね。今年じゃあ是非。そのあとはイギリス自転車調査・・・

赤松:イギリスですね。上でゴーグルをつけてイギリスの町を走れるようにそういう作品もあるんですけど、その時ちょうど6月にイギリスに行って、一週間くらいいたのかな。いろんなところ回ったり、博物館みたいなところに行ったり、そういう調査をしました。イギリス、まあヨーロッパはすごく自転車の文化が進んでいて、それからインフラですね。自転車専用道とかそういうのもすごく整備されているので、文化として自転車が社会の大きな割合を占めている感じです。

湯澤:そのあとですね、昨年のオープンハウスCritical Cycling展2016が初めて開催されて。

赤松:このころはもう後藤さん参加してたよね?いつくらいから参加したの?

後藤:夏くらいから参加させていただいたので、オープンハウスは最初の大きなイベントだった気がします。

赤松:例えば自転車が好きな人たちが自転車乗ってるのはわかるんだけど、乗ってない人から見たらどんな風に見えてた?

後藤:当時は乗ってなかったっていう話なんですけども、自転車をメインとして作りあげられる作品自体がすごく素敵だなと思っていたので、それに対してすごく興味もありましたし、

赤松:やってみようという感じ?

後藤:やってみようと思いました。

赤松:今回もやってるけど、バイクのカードを作ってワークショップをするとか、なんかそのやっぱり来ていただいて見ていただくっていうだけじゃなくて、話をすることが大事で、すごく良かったとは思うんだけど。面白い話とかありましたか?

後藤:そうですね。やっぱりバイク・カードは今回、tumblerで集めている自転車に関連する記事がだいたい400くらい集まっているものを印刷して貼っているんですけども。テクノロジー、デザイン、アートとかいろんな分野に及んでいることが見ていただくとわかると思います。それで皆さん何を選ぶかが人それぞれ基準がまったく違うので、人の基準の違いとかそういうものが拝見できて面白いなと。

赤松:確かに自転車って一言で言うけど、本当にいろんな側面があるし、多分僕も一部しか見てないはずなんですね。だから人によっていろんな関わりができるっていうのはすごくいいし、今メンバーですごく活躍している人も実はママチャリしか乗ってないとかね。そういう人もいらっしゃるから、ロードバイクでかっ飛ばすだけじゃないという感じですね。

湯澤:昨年のクリティカル・サイクリングですと、もう一個VR作品とトライクの作品とありましたけど・・・

赤松:このトライクの作品、上にも今回ヴァージョンアップ版がありますけど、トライクにフレームをつけて、そこにiPhoneをやっぱりたくさんつけてるよね。

湯澤:はい。

赤松:これかなり狂ってると思うんですけど、なんですかこれは。

湯澤:そうですね。もうひたすら乗せたい願望に身を委ねてですね。あまりこうデバイスと自転車の組み合わせってのがなかったので、もうどうせなら多く乗せてみようっていうことで。アプリ開発は綿貫さんにお願いして、私はひたすら塩ビ管で・・・

赤松:そうですね。これ周りの人から変に言われないですか?

湯澤:いやもう変な、おかしいだろうと。

赤松:夏にやってすごくインパクトがある作品で面白いんだけど、すごく大変なんですよね。それで一応完成なのかな、と思ったらさらに秋もずっとやってて、今回バージョンアップ版を作って。すごい執念だし、すごいよね。

湯澤:そうですね。最初のミーティングで100台乗せてみようかっていう話で。オープンハウスの時は70何台だったんです。このままじゃ引き下がれないなということで、とりあえず今は130台いって。

赤松:ギネスを・・・

湯澤:ギネス申請中ですね。

赤松:通るかな。通ったらすごいよね。

湯澤:そうですね。間もなく連絡が来るはずではあるんですけど。

赤松:IAMAS20年の歴史があるんですけど、ギネス持ってないんじゃないかな、多分。だからもしかしたらギネスレコード第1号とれるかもよ。

湯澤:じゃあ、なお頑張ります。

赤松:頑張ろうね。

湯澤:目標200台くらいまで。

赤松:頑張りたいと思います。

湯澤:綿貫さんのアプリ制作は大変でしたよね。色々ね。充電も、充電するだけで2時間くらい。

綿貫:ハードの構造とかは全部湯澤さんにお任せしていて、アプリの所を僕が作っていたりしたんですけど。やっぱりインストールするのにも台数分ライトニングケーブルを抜き差しするっていうことで、本当にこんなにライトニングケーブルを抜き差しする人いるのかなっていうくらい僕はもうずっとやってたんで。初めの方は一斉に制御しようみたいなことで通信周りをやったりだとかしていたんですけど、そういうところで結構学びがあったりとかして、すごいいい経験にはなったんですけど、なかなか修行のような日々でした。

赤松:でもなんか楽しくなるでしょ?

綿貫:そうですね・・・

赤松:やってもやっても終わらない感じで。やってもやっても、だいぶできたのに最初のやつはもうバッテリーがなくなってたりとか。

綿貫:そうなんですよね。やっぱりバッテリーのもちも徐々に短くなってきたりとかして、始めの方のやつが調子悪くなったりだとか。しばらく時間が経つとアプリが開かなくなったりして、さあどうしようみたいな。もっかいやらなきゃいけない。そういう繰り返しがいい思い出ですね。

湯澤:今回の、本当はもっと展示でつけようとしてね。湯澤さんもういいでしょうって言われて。これ以上もうつけなくていいでしょうって。

赤松:だから今度は自分で開発できるように彼に教えてもらおう。

湯澤:是非よろしくお願いします。で、クリティカル・サイクリングの後の大きなまた一つとしては、赤松さんがオレゴンに調査に行かれましたよね。

赤松:春はロンドンで、秋はオレゴンというのは、サンフランシスコのちょっと北くらいのアメリカの西海岸の北部の州なんですけど、すごくおしゃれな町で有名なんですね。そこでオレゴンっていうのが、アメリカだと車社会っていう印象があるんですけど、そういう中でも一番自転車に優しいとか、全米で一番住んでみたい町だとか言われるところなんで。そこで自転車がどう使われているのかっていうのをまた調査に行きました。ロンドンもそうなんですけど、バスや電車にそのまま自転車を乗せられるんですね。それで公共交通機関とうまく連携しながら自転車を乗る。それから道路もすごく整備されていて気持ちいいところでした。もう一つ電動アシスト自転車っていうのが日本でもありますけど、日本だとママチャリ的な存在なんですね。法規制が厳しくて24キロ以上出せないんですけど、アメリカだと45キロまで出せるんです。そうすると全然感覚が違ってて。日本だと短距離で買い物に行くにはいいんだけど、レジャーに使うと結構重たいだけの自転車になりかねないんですけど。アメリカだとすごく爽快でした。

湯澤:帰られてからしばらく電動アシスト自転車で坂道登りに行かれたり。

赤松:そうですね。この辺りでも電動アシスト自転車のレンタルがたくさんあるので、そういうのを借りて。この辺りでもやはり山を登るのはすごく楽なんですね。だからそういう時はすごくいいんじゃないかなという気はしますね。

湯澤:その時は綿貫さんも電動自転車乗りましたよね。なんか普段の自転車との違いとか感覚みたいな・・・

綿貫:そうですね。やはり自転車が勝手にグイグイ進んでくれるんで。山を、確か紅葉がすごい映えてる時に行ったライドは、本当になんか立ち漕ぎをせずにすごい急な坂を登ることができて。普通のライドされてる方が必死に漕いでいる横を、スイスイとみんなで走り抜いて。ちょっと申し訳ない気分になりながら、でもすごい楽にあがれて。苦労せずに楽しい思いをすることができました。

赤松:考えてみたら、自転車自体が人間の能力の拡張でしょ。人間の走る速さや距離を何十倍も拡張してるので。同じように電動アシストになって、さらに何十倍にも拡大するような。自転車って道具のようでもあるけど、実際そういう意味では拡張機械なので。そういう風に考えると面白いんじゃないかなという気がします。

湯澤:オレゴンの話でも公共機関の中に自転車乗せられるっていうことで、この辺ですと養老鉄道がサイクルトレインがありますけども、結構養老の方へも度々我々行ってますよね。

赤松:そうですね。このあたりは川沿いに緩やかな下りですごく気持ち良く走れるんですけど。走って行って疲れたら電車で帰ってこれるんですね。そのまま電車に自転車を乗せられるような事業をやってらっしゃるので、それで疲れたら向こうで食事をして温泉に入ってグダグダになって帰ってくるみたいなそういうことが可能ですね。

湯澤:結構こういう養老とかもそうなんですけど、割と地方で今自転車がまちおこしとかで使われて。最近ですと京都美山のブラッキー中島さんをお呼びして。デザイナーさんでもあり、美山の田舎の中で、京都の地方なんですけどもまちおこしして、サイクリング・イベントで何千人も人を呼んでいるということで。赤松さんが行ってらしゃって授業でも来ていただいて。

赤松:実際現地に美山まで行って施設を見せていただいて。クラウドファンディングっていう仕組みがあるんですけど、いろんな人がお金を出し合って。それでサイクルステーションっていうすごく立派な綺麗な建物を作られてて。そこを拠点に自転車の文化を作ろうとされてる方、なんですね。その方も、私も訪ねたんですけど、逆に今度IAMASに来ていただいて、講義をしていただきました。その時の話も結構良かったんじゃないかなと思うんですけど、どんな話だったかを、まとめてましたよね。感動したことがありましたか?

後藤:そうですね。やはり美山という地が昔ながらのそこから出たことがない住民の方が住まれている中で、新しいことをする活動を行う。また他県からくる方が新しいことを何かやろうとする。その情熱だったり考えだったりをいかにその地元の方に伝えて、プロジェクトを動かしていくか。自転車というのがいかに町自体を元気にするかだったりとか、地元にどれだけ貢献できるかっていうことをこれまで培ってきたデザイン能力ですとか日々のコミュニケーションでプロジェクトを実現していくっていうお話がすごくこう胸に響いてというか。これまで行ってきたデザインという力と毎日のコミュニケーションである会話が実現しているのかなと思うと、すごくいいお話だという風に思いました。

湯澤:そういった1年間の活動があって、今回卒展でもまた「クリティカル・サイクリング展2017winter」ということでやっておりまして。この約1年間の間で最も思い出に残ったライドとか何かございますか?

赤松:じゃあ向こうから。

綿貫:思い出に残ったライド・・・。は、そうですね。写真があるんですけど、一回すごいド派手にコケた時がありまして。僕写真とかを撮るのが好きで、それを動画にまとめてアップしたりとか、Instagramに投稿したりするのが好きなんですけど、その撮る時が危ない片手運転状態でして。ある時激坂で赤松さんとか八嶋さん(八嶋有司:IAMAS産業文化研究センター研究員)がブワーッと走っていくのを撮りたいと思って、撮ってたんですけど。一瞬ぐらついちゃって、その瞬間にバランス全体が崩れちゃって、すごいスピードでコケちゃった時があって。そしたらもう見たことがない、なんていうんですかね。怪我してて血が出ないくらいの怪我、ちょっと汚い話なんですけど白かったんですね怪我した箇所が。で、もう痛いんですけどすごい笑っちゃって。痛すぎて。これが本当に思い出に残っていて。この後も全然傷口が塞がらなくて。家に帰って寝てて朝起きたらベッドが血だらけになってたりとか。

赤松:病院行こうよ。

綿貫:ちょっと病院行きそびれちゃったんです。なかなか怪我をするライドは初だったので、これが一番・・・

赤松:まあ安全はね気をつけないと。

綿貫:気をつけないといけないので、安全に行きたいです。はい。

後藤:私は紅葉狩りで行った揖斐川の方のライドがゆるーい坂をずっと登っていくだけなんですけど、それが本当にきつくて。

赤松:きつかった?

後藤:きつかったですね。もう時速10キロくらいとかを永遠フラフラしながら進んでたんですけど、途中で心が折れながらゆっくりゆっくり進んで行くところを赤松さんが速いので、一回止まって写真撮っている間に私はゆっくりゆっくり進んで、ある程度行ったところで赤松さんがスーッと抜かして行くみたいなのは思い出深いですね。もうちょっと速く走りたかったです。

赤松:彼女はまあ見るからにっていうと失礼かもしれないけど、お嬢様な感じで華奢な感じでしょ。だからそんなにガンガン走れないんだけど、結構距離とかは行くよね。

後藤:距離は平坦な道だったら結構。

赤松:初めて走った時が何キロ・・・

後藤:58キロくらいですかね。

赤松:だから初めてロードバイクに乗って58キロいきなり走って。多分そんなに普通いけないので。でも結構いけるんですよ、実はね。

(マイク回して)

赤松:あ、僕?まあいろいろあるんだけど、年末にクリスマスイブの24日から大晦日までの8日間で500キロ走るっていうイベントがあったんですね。それに挑戦しました。僕そんなに長く走ったことないので、できるかなと思って、一人で走るの嫌だからこういうメンバーに誰か一緒に走ろうよって呼びかけたんです。そしたら誰も走ってくれなくて。で、もう仕方ないなあと思って一人で走り出して。結局何とかできました。で、毎日毎日だいたい80キロかそれくらいなんですけど。で、段々飽きてくるんですね。だからいろんなところへ行ったり、自転車を変えたり。で、そのさっき話が出てた電動アシスト自転車を借りてやってみたりとか。いろんなことをしながらやったのが、それこそやっぱり修行みたいな感じなんですけど。でも年末はすごく天気も良くて、走っている間はすごく気持ちが良かったんですね。それが結構自分の修行としては良かった。良かったというか印象には残ってます。

湯澤:私はやっぱり去年の琵琶湖・・・赤松さんと二人で走った時ですね。あの日予定では周辺ちょっと走ろうかっていうくらいだったんですけど、朝待ち合わせに赤松さんきた時にですね、もうオーラが違かったんですね。今日はもう走るぞっていうオーラで。それで琵琶湖行って泳いで途中2、3回川でも泳いで。

赤松:そうね、川飛び込んでったよね。

湯澤:そうですね。そのあと豪速球で帰ってきたじゃないですか。足がもげるかと思いました。ははは。

赤松:多分その時って100キロくらい走ったよね?

湯澤:120・・・

赤松:あ、120も走ってた?

湯澤:プラス、スイミングが3、4回ですね。あれはすごく楽しかったです。

赤松:僕もそんなにスポーツマンタイプじゃなくて、どっちかっていうと家の中でダラダラしたいタイプなんだけど。でもなんか段々自転車に乗っているうちに体が鍛えられたっていいうか、動くようになった感じはありますね。だからみなさんも乗るといいですよ。

湯澤:そういうサイクリングを中心としてやってきて、また別で制作の方もいろいろやってきましたけれども。1年間の中で制作でどういった発見だとか、これからどういった活動や制作に繋げていきたいかっていうこともあれば是非お聞かせいただきたいなと今日思ってきたんですけども。

赤松:上にいろいろ展示しているものもこの1年やってきた例なんですけど。1つちょっと印象的だったのは江戸時代に自転車の原型が作られているんですね。それがほとんど自転車の歴史の中では取り扱われないくらいなんですけど。ヨーロッパで自転車が発明され発展されたっていうのは常識なんですね。なんだけど、ヨーロッパで発明される100年くらい前の吉宗の時代に自転車の原型が作られてて、その頃は江戸時代で封建時代ですごく保守的で、しかも新しいものが禁止されていた時代。なのに、自転車にあたるものを作ってて、その設計図が残ってて、復元してるんですね。それを見たときに自転車って自由の象徴とかそういう風に思われるんですけど、そんな封建時代で保守的な時代なのに、自転車が作られてた、そういうのをやろうとした人がいたっていうのにすごい感銘を受けたんですね。去年調べている中でね。だからそういう形で深く調べれば調べるほど単なる自転車なのに、いろんなフックがあるような気がしてたので。そういう風に自分自身も初心に返っていろんなこと調べるだとか、いろんなこと試してみるとか。そういうのがこの1年間ですごく発見や制作につながったので、それを忘れずに発展していきたいな、とそんな風に思います。

湯澤:そうすると秋頃に養老の1300年のイベントを・・・

赤松:今いろいろお話いただいている中で、ライト、映像をつけながら走る自転車も展示してるんですけど、ああいうものでパレードをしたいなと思ってて。そうすると自転車と自転車の間でのコミュニケーションもとりながら、5台や10台でパレードをして。夜中や夕方に。そういうのもやっていきたいなと思ってるので。いくつかプロジェクトや企画や制作をやろうと思ってます。

湯澤:ちなみにお二人は今後どういった制作活動、またどういった場所に行きたいかなどあったら是非お聞かせください。

綿貫:そうですね、今回ちょっとお手伝いさせていただいのが、自転車にプロジェクターを積んでパレードのようなことができるっていうので。それを今後もうちょっとやってみたいなと。お互いに自転車同士が通信をしたりだとかして映像が変わったりだとかすると、ちょっとまた新しいものが見えてくるのかなと。すごいワクワクするので、そこの分野をやりたいなと思ってます。あとは日本のマチュピチュと言われている茶畑に是非行きたいです。

赤松:すごい綺麗な場所がね、あるんです。あとモネの池も綺麗。

綿貫:モネの池も行ってみたいです。

後藤:制作をしないので研究という面で言いますと、やはりバイク・カードを今回使わせていただいて、選ぶという行為にその人の考えだとか考えに至らない無意識的なところだったりとかそういうところを考えさせられるきっかけになったので、その選ぶ行為ですとか。今回分類がまだできてない状況ではあるんですけど、記事をどういったように分類していくかなどもちょっと研究に生かせるのではないかなという風に思っております。行きたい場所はやっぱりモネの池は行きたいです。

赤松:行きましょう行きましょう。なんかないんですか?

湯澤:私ですか?私も、はい、一緒に養老のキラキラライド是非。あとはそういった活動を日本各地とかで行う、日本一周を行きたいですね是非。

赤松:旅する自転車ですね。

湯澤:旅する自転車。はい。

赤松:あとは我々の話ばっかりもあれなんですけど、展示見ていただいた方だとか、どういう感想を持たれたとか是非そういうコメントも頂けるとありがたいんですけど。なんだっけ、中三だっけ。わざわざ来ていただいた。感想、コメント・・どう思いました?なんか変なことしているなっていう感じとは思うんですけど。

柴原佳範(中学三年生):自転車についてなんですけど。僕横浜に住んでいて、僕が住んでいる地域は特に坂がものすごい沢山あって。しかも僕電車通学で学校に行っているので、自転車を使うことが全くなくて。なので自転車も持ってたんですけど、全然使わなくて錆びちゃって今使えない状態なっちゃってて。それで、でも学校の奈良研修にこの前行ったんですけど、その時にレンタルサイクルみたいのを使って、それでみんなで走ってた時に、自転車ってこう走ってる時に風を感じる時に気持ちいいとか、その場にいるのをより実感できるというか、そういう力があって面白いなあと思って。それ以来ずっと乗りたいなと思ってたんですけど、今回今日来てお話聞いたり展示聞いたりして、自転車、いたってこうシンプルな道具に見えるんですけど、iPhoneを周りにつけたりだったりとかプロジェクターをつけたりだったりだとか。すごい発展のしようがあるというか、その可能性をあるっていうことを考えたことがなかったので、こういうことできるんだっていうのと、こういうことをやってる人たちがいるんだっていうので、なんていうか驚きとすごいなあという気持ちがありました。

赤松:是非やりましょう。

柴原:はい、やりたいです。

赤松:多分なんか簡単なことからでもね。実験的なこともできるだろうし。本当にいろんなことができるはずなので、是非やりましょう。

柴原:はい、ありがとうございます。

赤松:他にも何かコメント頂けたりするとありがたいですけど。どうですかね。じゃああまり乗ってない卒業して今は東京に行っている神谷くんで。実はPlayStation VRを貸してくれたのが彼なんです。東京はどうなの?

神谷典孝(IAMAS卒業生・プログラマー):東京に引っ越してから全然。すごく道が狭いのと、あと実は僕はこの辺に住んでいて、自転車に乗ってても道がまっすぐで迷わなかった。あまり今まで方向音痴っていう気はしなかったんですけど、東京ってすごく放射状に道がなっていて、めっちゃ迷うようになってしまったんですね。それもあって道が危ないのと迷うっていうのでちょっと乗らなくなってしまいました。

赤松:坂も多いしね。

神谷:そうですね。結構その辺って地理的な条件とか、改めて岐阜は道がまっすぐでかつ東西南北にできてるっていうのにびっくりしました。

赤松:そうね。確かに僕自身もこの辺りの出身じゃないんだけど、自転車に乗るようになってこの地域の良さっていうか、すごくしみじみと感じたんですよね。それを逆に上手く活かして、アピールしていく方がきっといいんだろうなとは思いますね。ありがとうございます。じゃあそろそろまとめを。

湯澤:はい。まあ自転車は素晴らしいということで。展示の方も上で引き続きやっておりまして、VR体験とかプロジェクション・マッピングのようなものとかやっておりますので、ぜひ気軽にご参加いただきまして、また何かございます時はお声掛けいただきまして、皆様と交流していければと思っておりますので、引き継ぎどうぞ引き続きどうぞよろしくお願いいたします。また本日このような場を設けてくださいましたことにもお礼申し上げます。以上でクリティカル・サイクリングのトークショーとして終わりにさせていただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

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