空の輪行、密室のトラブル

飛行機に乗る時に自転車を手荷物として預けて、空の輪行をすることができる。ところが今回は、思わぬトラブルに巻き込まれた。それは2019年5月17日、名古屋から山形までJALとFDAとの共同運行便に搭乗した時のこと。これまでと同じように、TrekのMadone 9.9を輪行袋に入れて預けた。万一の場合に備えて、物品価格を150万円として従価料金1,350円を支払うことも忘れなかった。

ところが、山形空港で自転車を受け取ったところ、ハンドル左側のブレーキが内側に大きく曲がっており、ブレーキ・ワイヤーが外れているらしく、ブレーキがまったく効かない状態であった。また、ハンドル左側のバーエンドに取り付けていたライト制御のリモコンも内側にずれて外れかかっていた。すぐさま空港の窓口に赴き、以下のように願い出た。

  • 精密検査の上で破損した自転車の修理を受けたい。
  • 検査や修理時には自転車専用の輸送手段を取りたい。
  • 4日間の自転車旅行の予定なので、代替措置を受けたい

JAL職員が付き添ったものの、FDAの機材運行だからとのことでFDA職員が対応する。修理については関係部署との協議が必要とのことで保留となり、代替措置として近隣の自転車ショップにてFDAがロード・バイクをレンタルすることになった。レンタルされた自転車はGiantのTCRで、アルミとカーボンの混成モデル。Madone 9.9には及ぶべくもないが、緊急のことなので止む得ない。

山形でのライドは天候にも恵まれ、各地を快走することができた。一方、FDAからは途中にも電話連絡があり、復路搭乗時にも話し合いがあった。まず、検査と修理は、筆者が購入した自転車ショップで行うことになり、今回レンタルした自転車ショップに依頼して輸送の手続きを取ることになった。しかし、補償についてのFDAの説明は以下の通りで、納得できない内容だった。

  • 関係者に聞き取りをしたところ、取り扱い上の問題はなかった。
  • 取り扱い上の問題がなかったので、従価料金は適用されない。
  • 航空券を購入したJALでは自転車は補償対象外であるので、補償ができない。
  • 一般的な取り扱いとして、飛行機を運行したFDAが15万円以内の補償をする。

これに対して筆者は以下のように主張した。

  • 関係者の申し立てだけでは客観的な証明にはならない。
  • 取り扱い上の問題の有無を搭乗者が確認する方法がない。
  • 従価料金を支払っているので、補償対象外とは考えられない。
  • 検査修理費が15万円を超える場合は従価料金による補償を求める。

つまり、自転車が破損した原因が明らかになっておらず、従価料金の適用条件も曖昧であるので、明確な説明と適切な補償を求めたわけだ。FDA職員は丁寧な応対であったものの、回答まで日数を要することが多く、交渉は遅々として進まなかった。ところが、事故発生から1ヶ月以上経過した時点でJALに問い合わせたところ、急転直下、JALが全額補償すると言う。

JALが補償する理由は、自転車や取り扱いや従価料金の趣旨についての説明を怠ったためだと言う。ただし、今回の事故の原因や責任の所在は回答されなかった。これでは今後の利用に不安が残る。当初は把握していなかったが、フロント・ギアの歯数個が扁平に潰れており、これは相当の力がかかったことを示している。ブレーキ等の破損と合わせて事故の原因が解明されていないことが最大の問題だと思う。

このようにして補償を得て検査と修理を行い、自転車を受け取ったのは事故発生から2ヶ月近く経過した7月12日だった。春から初夏にかけての絶好の季節に自転車に乗れなかったことになる。しかも、事故の原因は不明のままだ。自衛策としてドライブ・レコーダを取り付けるべきだろうか。いや、それよりも、追加料金を支払ってでも安心して預けられる体制を航空会社に作って欲しいと思う。

【参考】JALホームページより「お荷物の破損」についての規定

(2019年8月27日取得)

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