自転車建築(12)スマホ版体験キットを作るⅢ

本連載は建築と自転車を組み合わせた表現を通じて建築の静的なイメージを覆し、建築と移動が持つ新たな可能性を探求している。引き続き、自転車、光、造形的な模型・物体の相互作用に焦点を当て、どのような表現が可能かを探る。

前回に引き続き体験キットの制作を進めた。

前回で明らかになった課題はレーザーカッターで各部材が噛み合う形状に切り出した接合部に多くの隙間が生じたことである。

検討の過程で、模型の各面を一枚ずつ切り出し接合するのではなく一枚の板に切り込みを入れ、折りたたんで箱状に整形する方法へと変更することにした。模型サイズは縮小し、高さ12cm、幅・奥行き8cmの小さな家になった。

セルフィーと周囲を写し込む、穴の位置が異なる2タイプの模型で検討を進めている。

スマホの固定方法は前回同様にゴムで固定し、マジックテープで模型に取り付ける。
しかしながら見栄えがよくない。

スマホ固定具を装着した状態

設計要件としては、一枚のA3カードボードから切り出し、組み立てが容易であること。このキットを手にした人がペンなどで自分好みの建築にデザインできるようにしたい。

カメラに映る内観は凹凸を最小限にし視界のノイズにならないようにする。外観はスタイリッシュかつ可愛く仕上げたい。自転車建築の設計力が問われている。

A3一枚に収まる自転車建築キット

自転車のハンドルに取り付けた模型は非常に愛らしく、コンパクトで操縦の邪魔にならない。

スマホ固定部分は非常に醜い。どうにかしないと、、


2つの模型は共に内部空間は魅力的だ。ただし、動画を見ると屋根と壁の間に隙間があることが分かる。修正が必要だが、内観に関してはもう少しで満足のいくものになりそうだ。

個人的に最近はセルフィータイプの自転車建築にはまっている。自分の姿を中心に、その場の風景や環境音が空間に投影される体験は面白い。

今回は東京らしい映像を撮ろうと意気込み、人ごみの映像を採取しに走った。人が多い場所では自転車を降りて歩いたが、大垣では採取できなかった映像が取れて興奮した。次回は模型の改良とともに、穴の位置を再検討し、より人混みが映り込むようにしたいと考えている。

来月には完成させたい。

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