STRiDAダラダラ記(4) 使って直して 後ヒンジ編

前回は、KS3変速機が装着されている下フレームと前後輪、それについているドリブンプーリーを修理・交換した。特殊な自転車故にどうしても専用パーツが使われている部位があり、それが修理不能の原因になりそうだと感じた。

今回は、日用したことで見つかった問題とその修正を行っていく。

シンプルすぎる構造のヒンジ

STRiDAシリーズはフレームの後ろ側がヒンジとなっており、折りたたむ構造となっている。ヒンジの構造は大変にシンプルである。回転軸がシートがついている後ろ側のフレームから生え、そこに潤滑性のあるシートを介して下側のペダルと変速機がついているフレームが刺さり、その上からワッシャーを一枚挟んで六角ボルトで締結する構造となっている。

後側フレームと下部フレームが接続されるヒンジの部分の写真
https://stridacanada.ca/strida-bikes-rear-hinge-explained/ より

問題は、この部分に潤滑されてほしい部分とネジで固定されてほしい部分が隣接していることである。下部フレームと後部フレームの間はなめらかに潤滑してほしく、それらを抑える六角ボルトはしっかりと固定されてほしい。しかし、フレームを折りたたみ・展開を繰り返すことで、抑えているワッシャーを介して摩擦で六角ボルトが緩んでしまう。後部フレームを下部フレームに固定している六角ボルトが緩んでしまうと、サドルや後輪が装着されている後部フレームがペダルを漕ぐと揺動する。この状態では、揺動によって後輪が傾き、自転車の後ろ側が左右にランダムに流れてしまう。制御できれば電動フォークリフトのように後輪操舵ができるのだが、ただ制御できずにサドルと後輪が傾いて左右に流れるので気持ちが悪い。

応急処置と対策部品(やはり売り切れ)

応急処置として、サドルバッグ内に小型のモンキーレンチを格納しておき、緩んだら締め直した。しかし、どうやらフレームの折りたたみ・展開時だけではなく、ペダルを漕ぐ事によっても緩んでいくようで、頻度が高い日には一日一回締め直しが必要になったため、緩んだら締めるのは現実的ではないようである。

対策品として、緩まないように六角ボルトを小さいイモネジを内蔵したパーツに交換し、内蔵のイモネジで共締めすることで構造的に緩まないよう改造する対策商品が存在する。しかし、専用に加工されたパーツを多用している上に、そもそも売り切れているため手に入らない。
Strida TriLock Rear Hinge System

専用パーツを作るのであれば、ヒンジ部分の構造を変更するほうがきれいな解決ができのではないかと感じた。具体的には、折りたたみ時に繰り返し回転する部分をねじで固定した上にすべりワッシャーで抑える構造を廃止して、適切な種類のベアリングを介して固定する構造にできれば根本的に解決できそうである。筆者がIAMAS在学中に新品で入手したSTRiDA LTでは特に緩みが問題にならなかったため、ヒンジの摺動部品や六角ボルトが劣化している可能性もある。

応急処置から日常の作業へ

毎日フレームを折りたたみする度に六角ボルトを締め直すのは大変なので、ネジ用の接着剤であるロックタイト(青)をねじに塗り、それでも緩んできたら携行モンキーレンチで締め直して対処をした。多少緩みが問題になる頻度は少なくなったが、やはり緩むことは緩む。また、緩んだときにはロックタイトを塗り直して締め直すのだが、ロックタイトの効果を得るためには、ネジ穴と六角ボルトの山を清掃する必要があることがわかった。

試行錯誤して最終的に固定できた

試行錯誤の結果、ロックタイト赤(加熱によって取り外しが可能な強力タイプ)による六角ボルトの固定と、摺動部への潤滑剤の塗布によって、六角ボルトが緩んで締め直す作業をすることをほぼなしにすることができた。六角ボルトを取り外しに加熱が必要なロックタイト赤を使用しているため、摺動部品が損耗した場合に交換できない可能性がある。硬化後に六角ボルトの除去を試みたところ、除去することができたため問題はないと思われる。

次回以降も修理したSTRiDAを日用した様子と、その中で発生した問題とその対策を紹介していく。現在までに壊れた部分は、ペダルの種類と輪行袋の組合せの最適化、折りたたみハンドルとグリップに付いての試行錯誤、駆動ベルトとリアディスクブレーキローターの破損と修理、エレベーターでのタイヤの破損がある。駆動ペルトとリアブレーキ、タイヤは今も破損したままだが、多分書く頃には着手していると思われる。

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