使える部分を組み合わせて使えるものにする
前回、オークションでSTRiDA EVOのジャンクを落札した。駆動に必須なベルトはなく、コアな部品であるKS3クランクは修理が現実的ではないセレクトラッチが折損していた。そのため、フリマサイト、自家塗装されたあとにレストアを諦められたSTRiDAとパーツの詰め合わせを落札した。落札したものを組み合わせて稼働状態にあるSTRiDA EVOを作成する。
今回届いた青い自家塗装フレームは、現在問題になっているKS3クランクが故障していない状態で付いている可能性の高い底辺の部分のフレームのみを使用した。駆動ベルトも青色の自家塗装のものについてきたものを利用した。意図せずして米国の実験機のようなカラーリングになった。少し試走し、コンビニまで移動した。変速も動作して、移動が楽しい。
問題がある箇所の修理・交換
とりあえず動作する状態にしたので、日用するために問題がある箇所を交換・修理する。まずは、前後のタイヤのリムが振れており、フロントのベアリングは油脂が抜けてなめらかに回転しない状態になっているため、前後のタイヤをリムから交換する。
STRiDAは前後ともに片持ち構造であるため、タイヤの着脱は容易であるように見える。しかし、ブレーキがディスクブレーキであり、更に16インチの小径タイヤのため、タイヤの着脱はディスクブレーキのキャリパーを外してから行う必要がある。着脱の容易さでは初代STRiDAのドラムブレーキが最高であると感じる。
前輪は、ディスクブレーキのキャリパーをとりのぞき、ハブから先の部品を丸ごと青い自家塗装フレームについてきた新品に交換する。ディスクブレーキのローターはネジで固定されているので簡単に移植することができる。
後輪は、前輪についているものに加えてペダルからの動力を伝えるベルトが回すプーリーがあり、それによってディスクブレーキローターが固定されている。さらに、プーリーの着脱にはBMX用の特殊工具が必要であった。その為、先端工具をフリマサイトで入手した。専用工具はインパクトレンチで使用する設計であったが、インパクトレンチがなかったため、股でタイヤを固定し、背筋とモンキーレンチを使って着脱した。
リアタイヤから除去した後輪側のプーリーはグリスが切れており、空転側に回す抵抗が大きくなっていた。ドリブンプーリーが空転する側に回すときに力を伝達してしまうと、フロントのプーリーを介してKS3変速機のプーリーが回されてしまい、ギアが変速されてしまう。残念なことに、自家塗装されたSTRiDAに含まれるスペアパーツにはドリブンプーリーだけがなかった。そこで模型用の注射器でグリスを隙間から流し込み、フロントプーリーの走行時の抵抗が、ドリブンプーリーのフリーホイール機構の抵抗より大きくなるように修理した。
リアのディスクブレーキローターは専用形状の穴にハブを通してそれをドリブンプーリーで締結して固定する構造となっていた。そのため、ローターが破損した場合は汎用のローターではなく専用のローターでないと交換できないようである。リアタイヤのブレーキローターとドリブンプーリーの位置がとても近く、この固定方法が一番コンパクトにできることは理解できるが、汎用でないパーツの採用はそれが入手できなくなることがその製品全体が修理不能になることに近いので、避けてほしかった。
今回の修理箇所と次回の修理
今回はKS3がついている下フレームと前後輪、それについているドリブンプーリーを修理・交換した。特殊な自転車故にどうしても専用パーツが使われている部位があり、それが修理不能の原因になりそうだと感じた。
次回は、日用できる状態になったことで見つかった問題と、それの修正を行っていく。