今年の5月から2週間ほどポーランドへ展示のため訪れる。
事前にポーランドの自転車事情を知っておこうと調べていた際に見つけたキャンペーンが興味深そうであったので今回はこのキャンペーンについて書けたらと思う。
“Rowerowy Maj “をご存じだろうか。これはポーランド語で「自転車の5月」を意味している。
これは小学生の登下校を車輪のついたもので通うという社会的・教育的キャンペーンである。目的としては健康的なライフスタイル、子供たちの持続可能なモビリティ、教育を促進するためであり、ポーランドではヨーロッパ全体でも最大規模のキャンペーンとなっているとのことだ。
公式のwebサイトもあり、プロジェクト概要や参加方法、またこれまでの参加者の統計情報が細かくまとめられている。歴史としては長くはないが2014年からグダニスクで始まったキャンペーンだそうだ。当時は25校の小学校が参加してキャンペーン中(2週間)1700人以上の小学生が自転車での通学をおこなっていた。
直近の2022年の記録では約21万人の参加者、500万台の乗り物(自転車、スクーターなど)、1130の小学校の参加があった。
海外では小学生を一人で外を歩かせることが危険ということが一般常識的にあるため、親子でのライドが必須となっている。
上記に比べて日本ではRowerowy Majのような自転車通学のキャンペーンははたしてあるのだろうか。
そもそも小学生が自転車通学できるものなのかと、疑問に感じた。筆者の経験上、中学生や高校生での自転車通学はよく聞く話であり(筆者自身も高校生の頃は40分の自転車通学を行っていた)、小学生の自転車通学は耳にしたことがなかった。
調べてみると、多くはないがいくつか事例を見つけることが出来た。
・テレビ番組「ナニコレ珍百景」にて取り上げられた佐賀県白石町の町立北明小学校による「全国的にも珍しい?小学生が自転車通学」
・宮古島市立下地小学校、自転車通学について。ただし小学三年生以上(9歳以上)のみが自転車通学可能となっている。
多くの小学校は自転車通学を禁止しているため、小学生の自転車通学が普及していない。自転車に乗り始められる平均年齢は5.7歳という調査結果もあるため、多くの小学生(7歳~)は乗れるのであろう。Rowerowy Maj を見習って親子での自転車通学キャンペーンを実証実験的に取り組むことは一つ面白いかもしれない。