Practical Cycling 10:図形楽譜

楽譜の図形化について考えてみる。Steve Reich の Clapping Music(1972)は、現代のクラシック音楽の中で最も単純な楽譜の1つであり、演奏するのが最も難しい楽譜の1つだと言われる。

楽譜の長さは、4小節ただこれだけ。

The rhythmic pattern that forms the basis of Steve Reich’s Clapping Music.

二人の演奏者がそれぞれ手でリズムを刻むことによって演奏される。一方の演奏者は、曲の終わりまでそのパターンを繰り返し、もう一方の演奏者は一定の回数を繰り返した後、パターンをシフトさせる。

パターンは12の音符に基づいており、8つの四分音符と 4つの休符の組み合わせとして表される。3回の拍手、それに続く休止、2回の拍手、休止、1回の拍手、休止、2回の拍手、そして最後の休止という一定の順序で構成されている。

Clapping Music (1972) / Steve Reich


The twelve pattern combinations in Steve Reich’s Clapping Music.

上記のパターンを参考に円環上にループする図形を描いてみた。シアンは固定されパターンに即してマゼンタのみ反時計回りに12段階にずれるよう配置している。休符は円、回転するパターンの対称性を点線で表現し、タイミングの重なりは乗算で混色している。

pattern 1
pattern 2
pattern 3
pattern 4
pattern 5
pattern 6
pattern 7
pattern 8
pattern 9
pattern 10
pattern 11
pattern 12

スティーブ・ライヒはクラッピング・ミュージックを作曲した1972年、西アフリカのヨルバ族が使う鐘のパターンからアフリカン・ドラムを研究していたようだ。今回はリズムパターンを可視化することで、視覚的なユニゾンの表現を目指してみたが生命の根源に近づけただろうか。

参考

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