ツール・ド・西美濃 2021

毎年開催されていたツール・ド・西美濃が今年はオンライン形式で開催される。従来は9月に丸一日かけてロング・コースを走破する典型的なサイクリング・イベントであった。しかし、昨年は新型コロナ・ウィルスの感染拡大のために中止。現在も終息が見通せない状況なので、開催が危ぶまれていた。ところが、今年はまったく新しいスタイル、つまり集中管理型ではなく自律分散型での開催となった。

このイベントは7月21日から2ヵ月間に渡って開催され、岐阜県西美濃地方の2市9町を自転車で巡って獲得したポイントを競うことになる。このためにモバイル・アプリを使って設定されたスポットを訪れたり、ミッションを行うとポイントを獲得。集めたポイントは特典と交換でき、上位入賞者には景品が進呈される。そのあらましを伝えるビデオも公開されている。参加費はかからない。

利用するアプリはMap Lifeで、すでにツール・ド・西美濃2021のマップも公開されている。訪れるべきスポットは100ヵ所もあり、市街地近郊が多いものの、徳山ダムのような難関の地もある。行きたいスポットにはGoogle Mapsでルートが案内される。ただし、この地域では自転車によるルート検索が始まっていない。そして現時点ではできなかったが、スポットに到着すればチェック・インすることになる。

Map Lifeは地域活性化ソーシャル地図サービスと銘打たれている。特にスポット(地点)が重視されているので、地域の名所・名店を回るのに役立ちそうだ。一度にすべては回れないので、計画をたててルート(経路)を作りたいところだが、これはできないようだ。GarminやStravaなどのようにスポーツに特化したアプリではないので無理もないが、今後の対応に期待したい。

また、本イベントの事務局である大垣青年会議所に連絡を取り、ご担当の方から経緯を聞かせていただいた。それによると昨年は中止になったものの、コロナ対策をした上で実施して欲しいとの要望が強かったそうだ。そこで開催方法を模索していたところ、昨年秋にMap Lifeがサイクリングに対応したことを知り、準備を進めてきたとのこと。すでに実施例はあるが、ここまでの規模と期間は前代未聞らしい。

従来に比べて今回は反響が随分と大きいので、イベントの目的である地域連携と情報発信が期待できそう、しかも、従来よりも経費が少なく、対費用効果や持続可能性も高いようだ。今後はコロナ後を見据えてビジネス・モデルとしても追求したい、自転車はさまざまなものを結びつけられるので期待している、とのこと。今回は岐阜県在住者が対象だが、今後は広く参加できるようにするそうだ。

今回で8回目と長く続いているので、さぞ熱心な方が多いのかとおもいきや、最近になって自転車を買った人もいらっしゃるそうで、必ずしもそうではない様子。しかし、ご自身の事業経営の傍ら手弁当で企画や運営をされているのは頭が下がる思い。以前は短時間で定員に達していた人気エリアが、今回は期間中いつでも誰でも自分のペースで走ることができる。ぜひ参加されることをお勧めしたい。

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