Nreal Lightで拡張現実ライド

HoloLensMagic Leap Oneに続いて、新しいARグラスNreal Lightによる拡張現実ライドを検討したい。先の2製品がヘルメットやゴーグルを連想させる大仰なデバイスであったのに対して、Nreal Lightはサングラスに近いレベルに小型軽量化されているのが大きな特徴だ。いくつかのプロモーション・ビデオで雰囲気が掴めるだろう。ただ、この手の映像は話半分に見ておくほうが良い。

さて、実際にNreal Lightをかけて自転車に乗ることに大きな障害はない。眼鏡がずり落ちないか気になるし、コンピュータ・ユニットとケーブルをうまく取り回す必要があるものの、いずれも乗っているうちに気にならなくなる。しかし、激しい乗り方では眼鏡は外れるかもしれない。また、眼鏡の上部に映像投影機構があるので、上目使いで見ることはできない。これは少々窮屈であり、慣れが必要だ。

Nreal Light Developer Kit

視野角は対角52度と広めであり、有機ELによる表示はかなり明るい。これは日中の屋外でも映像が視認できるほどだ。ただ、先に述べたように上部の視野が阻害されるので、ロード・バイクのように前傾姿勢を取ると前方が見えにくくなる。一方、SLAM、すなわち周囲の認識は若干弱いように思える。それでも、空間に置いた仮想物体の周囲を自転車で回ることくらいはできる。

このように先行2製品に比べて小型軽量で装着し易く、視野が広く表示が明るいので視認性も良い。しかも比較的安い価格での一般発売が予定されている。良いこと尽くめのようだが、プロ仕様の高い精度や高度な描画は望めない。つまり、ライトウェイトなコンシューマ向け製品なのだろう。そう、自転車で走り回りながら使う大雑把な用途にはピッタリだ。是非、その路線を追求して欲しい。

なお、開発者用キットに付属するコンピュータ・ユニットはAndroid OSだ。scrcpyで見るとスマートフォンのような画面が現れる。一般向け製品としては眼鏡だけとなり、Androidフォンに接続して使うことになる。そのような構成のせいか、現時点での動作は少なからず不安定である。ケーブルの抜き差しをしても映像が現れなかったり、コントローラが認識されていても動作しなかったりする。

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