マウンテン・バイクにハイドレーション

逆もまた真なりだが、ロード・バイクからするとマウンテン・バイクは奇妙な自転車で、不便なことが多い。その一例は下に湾曲したトップ・チューブで、ドリンク・ボトルの空間に乏しい。ミヤタのRidge Runnerでは、シート・チューブにボトル・ケージ穴があるものの、標準的なボトルは入らない。かなり小さい500ml程度のボトルなら入るが、下方になるので手を伸ばして取り出すのに苦労する。

これではマウンテン・バイクで長距離を走ろうという気になれない。ライド中の水分補給は絶対必要条件だからだ。サドルやトップ・チューブにボトル・ケージを追加することも考えられるが、もうひとつ思い出したのはハイドレーション・システムだ。これは水が入ったバッグを背負い、そこから延びるチューブを口に加えて水を飲む。点滴のように常に少しずつ水を飲むのは、不思議な感覚で楽しい。

ただし、ハイドレーション・システムは、夏の炎天下では水が温まってしまう。魔法瓶型の保冷ボトルに慣れると、生ぬるい水は飲めたものでない。そこで思い出したのが、昨年登場したサーモスの自転車専用ボトル。これは飲み口がストローなので、ハイドレーションのチューブを繋いでみる。これで水が飲めるものの、随分と吸い込む力が必要だ。形状が微妙に違うので、繋ぎ目に隙間が生じているのだろう。

もうひとつ、ドリンク・ボトルをハイドレーション化するチューブもある。しかし、形状が違うので、サーモスには取り付けられない。適合するキャメルバックは、魔法瓶型ではないので保冷能力は劣る。万事休す…だが、Water Avenue (Hydro Flask)の魔法瓶ボトルがピッタリ。小型なので狭い間隔のボトル・ケージにも入る。自転車の街ポートランドでのカフェ三昧が、思わぬところで窮地を救ってくれた。

このボトルは容量が小さいものの、ハイドレーションの常時少量給水なら、通常のボトルほど大量に水を飲まずに済む。チューブの先端はマグネット・クリップを使って襟元で着脱できるようにする。ただし、チューブの取り回しが難点で、自転車に乗り降りに一手間あり、誤って後輪に絡まる危惧もある。マウンテン・バイクでの水分補給は、まだまだ研究が必要だ。

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