2017年の夏、筆者(sy)は韓国のソウルで開かれた、サイクルハックというイベントに参加をした。それは、自転車にまつわるデザイン問題を解決する事を目的とする行事で、その時の記録は、こちらの記事を参照して頂きたい。そして今回の記事では、その時体験した「タルンイ따릉이」という、自転車シェアリング・システムについて書いて行きたいと思う。
「タルン따릉」という語は、日本語にするなら「チリン」にあたる。自転車のベルを鳴らした時の音を表す擬声語である。そのような名前にすることは、親近感を感じさせるには効果的だと言えるだろう。
「タルンイ」を使うと、駅の周辺や、人が集まる場所に設置された自転車スタンドで、自転車を借りることができる。自転車を借りるのは専用アプリを使って行うことができ、乗り終えた自転車は、目的地周辺の他のステーションで返却できる。
アプリは写真のようなインターフェースで操作できる。自転車を借りることはもちろん、ステーションにある自転車の空きの状況も確認する事ができる。そこで、筆者はハン川の近くにあるステーションで自転車を借り、川沿いのサイクルロードを走ってみることにした。
その前に、自転車そのものについても見ていきたい。大きさは、日本のシティーサイクルよりは小さく、生活用であることから、カゴが付いている。また、タイヤは日本の一般的なシティーサイクルより太いもので、マウンテンバイクに近い。ソウルは特に坂の道が多く、そのための仕様だと思われる。
ハン川沿いの道は、走るには快適で、長さもあって楽しかった。ただ、この道まで入るまでの距離は、入る場所によっては遠い所もあった。筆者は数キロほどを走ったが、右側に見える川の景色が良く、全体的には楽しめた。
また、住宅地の周辺でも自転車を借りて走って見た。でも、人が多い場所では出店や駐車された車も多く、自転車で移動することはむずしかった。また、バスが道路の端を走っていて危なく、自転車のためのインフラの整備が必要だと感じた。
結論として、「タルンイ」サービスは借りた場所でなくとも目的地の周辺で返却できるメリットはあるが、道路の整備はこれからも必要だと思われる。また、今後は目的に分けて使えるよう、機種を増やして行くことで、もっと充実なサービスになってくれたらと思う。