サイクルハック2017ソウルに参加

サイクルハック(Cycle Hack)は自転車をめぐる問題を発見し、それを解決するためのアイデアを出し合うイベントである。この度サイクルハック2017に、筆者(sy)の母国である韓国のソウルが新しく参加することになり、これに参加してきた。会場は、ソウル恩平区(ウンピョング)のプルグァン駅から近い、「ソウル革新パーク」という場所だった。

この場所は元々は政府の施設だったが今はスタートアップ企業と若者を支援するための施設になっている。特に物をリサイクルしたり、環境問題に関連する事業を行う中小企業が多く入っている。

ソウルは今年初めてサイクル・ハックに参加した。イベントを計画してまとめたのは、「十年後研究所」、「約束の自転車」という名前の団体たちで、今回のイベントで必要な備品などを用意してくれた。また実際オーガナイズを担当した方は女性で、韓国では唯一、自転車関連のポッドキャスト放送をしている方だった。

初日は、午後6時からのミーティングがあった。その場所には製作には参加しないけれど、どんな人たちが集まるのかに興味があって見にきた人たちが数人いた。その中には自転車学校の先生、画家、デザイナー、純粋に自転車に興味があって見にきたという方もいた。そして政府機関からの研究員も二人参加して、現状の韓国の政策に関して情報も公開してくれた。

乗り物に関する政策は、政府が行う調査の結果、「手段分担率」という数値を図ることで立てられる。例えば朝通勤するとき選ぶ交通手段をパーセントで表したような物なのだが、韓国の場合、自転車の占める比率は2%に過ぎないという。この数値が今後の自転車の普及で上がれば、政治的には積極的に整備をするようになるという話だった。(17/09/26 追記:自転車に関する手段分担率は、東京の場合20%を超え、コペンハーゲンの場合は50%を超える程だという。)

初日のミーティングが終わる頃、どんな案のプロトタイプを製作するかを決める時間があって、筆者は肩にかけるエコバッグが走行中に滑り落ちないようにする案に参加した。3人ほどが同じチームで、バッグを体のどこかに結ぶ方法を話し合い、結果、紐を体の反対側のベルトを通す場所にかけるというアイデアに落ち着いた。

二日目の朝、昨日よりは参加人数は減ったが、朝から製作が始まった。用意してもらった材料で、自分が持っていたバッグに穴を開けて紐をつけた。自分の作業が終わってからは他のアイデアの製作にも参加したのだが、その案はワニのヘルメットを作って、車がクラクションを鳴らした時びっくりさせるという面白いアイデアだった。

そうやって三日目の日も製作が続き、ようやく終わってからは皆で説明動画を作ることになった。動画は一人ずつプロトタイプを紹介する物だったが、最後は皆んなで音を鳴らして遊ぶことで終了した。全部の日程が終了し、有難いことに筆者はスタッフたちのサインが入ったポスターを頂き、挨拶をして会場を出た。

今回のイベントを参加して、第一回目だからこそ、ゆるい感じでもあったが逆にそこが面白くもあり、結果として楽しい時間を過ごしたと感じている。特に現在の自転車に関するマインドが、まだまだレジャーでしかなく、一般的な交通手段としてはあまり認められていない状況もちゃんと知ることが出来た。訪れた方の中には、こんなイベントをするのが「不思議」だったし、それで是非見ておきたかった、という方もいた。確かに、これからの社会でこの問題に関して取り組むべき事柄はたくさんあると思う。けれども、今回のように一番小さい単位での活動、まだバージョン1.0に達していない、このような感じのイベントで新鮮な感覚も覚えたのもいい経験だったと思う。

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