ルートラボは「サイクリングや道案内などのルートを簡単に描いて公開できるサービス」で、かなり以前から公開されており、数多くの人が利用している。WEBサイト上でルートを描くだけでなく、ライドを記録したGPSデータをアップロードして登録することもできる。数えきれないほど多くのルートが公開されているが、何らかの構造は持っておらず、玉石混交、混沌とした集合知状態になっているのも楽しい。
ふと思い立ってルートラボで「原子力発電所」を検索してみた。すると意外にも数件しかヒットしなかった。ところが、「原発」で検索すれば、出るわ出るわ水素爆発のようにいくらでも出てくる。ルートラボでは数件ごとに表示されるが、あまりにも多いので途中で止めてしまった。もっとも、ルートラボの登録件数は膨大なので、原発関連が特異的に多いのかどうかは分からない。
さらに、3.11以降に原発ルートが増えたのか?減ったのか?、3.11以前にフクイチに向かうルートはあったのか?といったことも簡単には分からない。ただ、「福島 原発」といった検索を行えば、興味深いルートが見つかる。「福島 双葉」や「福島 大熊」と検索すれば、在りし日のルートが蘇る。いつかツール・ド・フクイチが開催されるだろうか? 避難されている方々のことを考えると心が痛む。
なお、ルートラボの行き先が案じられている。更新履歴を見ても、2011年が最後だ。ユーザ・インターフェースを担うSliverlightが絶滅技術であることも障害要因のひとつだろう。JavaScript版も作られたが、本来の機能や使い勝手が実現されていない。無償サービスでマネタイズが行われていないのも不思議だ。人気が高いサービスだけに、今後も継続され、パワーアップされることを願ってやまない。
【追記】ルートラボの「ルートを描く」がJavaScriptベースとなり、本来の機能を備えるようになった。更新履歴が更新されていないが、これは2018年4月頃に公開されたようだ。今後もメインテナンスとアップデートが行われることを期待したい。(2018年4月24日)
【追記】ルートラボは2020年3月末にサービスを終了した。以降はサイトを利用できず、埋め込み地図も表示されない。(2020年3月31日)
One comment