Starry Ride Prototype 1は夜間走行をイルミネーションで飾り、安全性を高める照明アクセサリーの試作だ。とは言え、バッテリー駆動の家庭用パーティ・ライトを、自転車ハンドル用のGoProアダプタ+三脚ネジで取り付けたに過ぎない。Amazonで注文して翌日届いたライトを、流用したアダプタで固定するのに数分間。典型的なラピッド・プロトタイピングだが、その効果と雰囲気は予想以上に良かった。
ビデオから見て取れるように、華やかな照明パターンが自転車の前方の広い範囲に投げかけられる。安っぽい印象を与えるかもしれないが、派手すぎず地味すぎず、光量的にも丁度よい明るさだ。通りがかった人からは感嘆の声が上がる。何よりも明滅する光とともに自転車を漕ぐことは、とても楽しい。陶酔して危険なほどではないが、星々とともに舞い進み、星々を乗りこなすような極上の感覚が得られる。
このパーティ・ライトは赤、緑、青の3灯のLEDが緩やかに照明パターンを変え、周囲の音量に応じて点灯が切り替えるようになっている。ただ、自転車では常に走行音や風切音があるので次々と点灯が切り替わり、結果的に短い周期でチカチカと点滅することになる。このこと自体は悪くはないが、マイクの感度を下げたり、照明パターンを工夫するといった展開も考えられるだろう。
また、パーティ・ライトに加えてBlaze Laserlightも取り付けた。これは一般的なフロント・ライトに加えて、自転車マークを明るいレーザーで投光する製品だ。この光によって自転車の存在を他者に気づかせることを狙っており、ロンドンの自転車シェアリングであるSantander Cyclesでは全台に取り付けるらしい。13,600ものレーザー自転車がロンドンを縦横無尽に駆け巡る様は圧巻だろう。
【追記】Santander Cyclesのニュースによると4,000台のBlaze Laserlightの取り付けが完了し、今後9ヵ月で残るすべての自転車への取り付けを行うとのこと。(2016年10月25日)
なお、パーティ・ライトはビデオでは判別し難いものの、赤、緑、青の光が交じるので、光の三原色合成により白色灯と同等になる(夜間・トンネル内でのライト点灯、公益社団法人自転車道路交通法研究会)。ただし、パーティ・ライトが過剰な照明として迷惑行為や危険行為にならないように注意。一歩間違えればヤンキー様ご用達状態になる。あくまで華麗に美しく襟を正して乗りこなすことが大切だ。