自転車キャンプツーリング装備はこう考える:これから始める人のためのガイド(後編)

自転車キャンプツーリング装備の構築はどんな風に考えたらよいか。これをテーマに、未経験者に役立ててもらうべくスタートした対談の後編をお送りする。前回は「キャンツーは人それぞれ」「セットアップを形だけ真似るのはよくない」と確認した上で「住」「衣」を扱った。今回の主要ポイントは「食」と積載である。「形だけ真似るのはよくない」という前提は変わらないので、それがどういうことか分からなければ、まず前編を読んで欲しい。

お相手は引き続き、筆者が参加している「きゃんつー集い」の主催者ダイゴマン氏だ。

初心者OKな低予算の軽快キャンツーを構想する(続き)

では条件設定を振り返った上で本編に入ろう。

夏場のこういうキャンツーなら?

宮:季節は夏、エリアは本州の平野部から里山くらいとしましょうか。キャンプはそれ自体が目的というより道中で眠るための手段としての簡素なもので、期間はとりあえず二泊。連泊の方が装備の濡れなどを気にかけることの重要性がはっきりしてくるので。自転車はそれなりに整備の行き届いたものが既にある。さて、装備はどう考えるとよいでしょう?

「食」

宮:ダイゴマンさん、こんにちは。低コストで軽快な自転車キャンプツーリング装備の考え方、後編となる今回は予告通り「食」から検討していきたいと思います。よろしくお願いします。

ダ:よろしくお願いします。「食」というと、所謂世間的なキャンプのイメージだと、夜営のメインイベントみたいな要素ととられがちですが、自転車キャンプツーリングにおいては余裕があれば充実させればよい程度のものかなと個人的には思っています。宮田さんは、どうお考えですか?

宮:ぶっちゃけ、最初のうちは自炊はバッサリ切り捨てても良いと思ってます。自炊が入ると火器、燃料、調理器具、食器類と一気に荷物が増えてしまうのが一番の理由です。

ダ:私も同意見です。街道沿いであれば食堂等にも寄れるでしょうし、菓子パン程度で不自由は感じないですね。実際、私が2011年の夏に日本縦断したときは自炊道具は持っていませんでしたが、特に不自由はしなかったですよ。

宮:走っている土地を味わおうと思ったら、中途半端に自炊するより食堂に寄った方が良いんですよね。レトルトを持参して道中で作るだけだと、旅先と食べ物の間に関係性を持たせるのは難しい。とはいえ夏場でもキャンプ地で温かいものをお腹に入れたいという気持ちもあると思うので、その場合のセットアップの話はしておきたいです。

ダ:土地を味わうってなかなかいいですね。道の駅等で地のものを食べたり、小さな食堂に寄ったりしたのって結構いい思い出になりますよね。旅行の記憶に味覚もプラスされるのはこの上ない喜びな気もします。さて、キャンプ地でとりあえず温かいものというのであれば、お湯を沸かせる道具があれば良いのかなと思います。アルコールストーブと500ml以上のシエラカップやコッヘルがあればカップ麺や即席スープなどを作ったり、紅茶を飲んだりも出来ます。アルコールストーブは扱いに慣れが必要なので100均などで売っている固形燃料でもいいかもしれませんね。これは冬の山岳ツーリングですが、シエラカップに餅とお吸い物の素を入れて固形燃料で沸かした雑煮は美味しかったですね。

宮:美味そう! 沸かす・煮る系の調理は最もハードルが低く、でもそれができるだけで食事の満足度はだいぶ違ってきますよね。インスタント系の汁物に地の食材を少し足すのも良いでしょう。自分は現在、湯沸かしだけするようなキャンツーの加熱容器としては、チタンのロッキーカップを主力にしてます。容量はすり切りで約480ml、目盛り付き。一つで済ませるカップ兼クッカーとしてはすり切り500mlから600ml前後が好バランスだと思っていて、その範囲内ではカップ寄りの選択です。カップスープやお茶を飲むだけならすり切り300ml程度でも足りますが、小さいカップは底が狭いため、ゴトクの類をよく選ばないと不安定になって使いにくいんですよね。もう少し大きいものでも、縦に長いより底が広い方が安定しますし、スプーンで中身を混ぜるような動作もやりやすいです。一方、クッカーとして余裕たっぷりのすり切り900mlとかだと、カップとしてはちょっと大き過ぎますね。

ロッキーカップで袋麺を半分ずつ食べる
※二重構造の容器は加熱調理には使えないので避けること

ダ:容量や形状はかなり悩ましいですよね。

宮:素材に関してもちょっと触れておくと、加熱した後で直に口をつけるには熱伝導率が低いチタン製が自分のおすすめです。チタンは硬いため薄くて軽い製品が多く、その薄さと熱伝導率の低さから火が当たっているところばかり熱くなってとても焦げやすい。でも、カップ的な運用と湯沸かしが中心なら問題ありません。取っ手もチタン製だと熱くなる度合いが低いのでより安心です。価格も単体なら2000円ちょっととか。ダイゴマンさんはどんなものを使ってますか?

ダ:今は600mlのコールマンのシエラカップ、900mlのスノーピークのケトルあたりが主力ですね。いずれもステンレスで、独特の焦げ模様が堪らなく好きです。チタンは高いイメージがあって今まで使ってきませんでした。一度、アルミ製の確か5点で2000円くらいのセットも使ってましたが、あれは剛性が低くてパッキングしてると潰れたり、薄いせいかアルミなのに良く焦げ付くので不便でしたね。鍋が多くてお得感がありますが実際にセットで持って行くと洗い物が増えて手間なだけです。

加熱容器の素材熱伝導率硬さと重さ
チタン低い。フチは熱しにくく、底は焦げやすい。カップとして使いやすく、調理は湯沸かし特化に向く。とても硬いため、とても薄くて軽い製品を作れる。
ステンレスやや低い。やや硬くやや重い。
アルミ高い。底は焦げにくく、フチは熱しやすい。様々な調理に対応するが、熱いもの直に飲むカップとしての利用には不向き。柔らかいため力を加えると変形しやすい。厚みを持たせても軽い。

宮:容量によって用途が違い、最適な素材も違ってくるはずなんで、同一素材で点数の多いセットは手っ取り早いようで使えないものが多いんですよね。身軽な自転車キャンツー用に新調するならバラ買いが正解だと思います。ステンレスは突出した強みはないものの、汎用性が高いですね。雰囲気もよく、自分もとても好きです。火器についてはどうでしょうか。先ほどの話ではアルコールストーブと固形燃料が出ていました。自分は普段は主にアルストをバイオエタノールで運用しています。調理器具や食器の拭き上げ、手指の消毒にも使えちゃう、環境負荷の低いエレガントな燃料で気に入ってます。ただしアルコールは明るいところだと炎が見えにくいなど、扱いは簡単ではないですね。

ダ:バイオエタノールですか。燃料以外に流用できるというのは良いですね。アルコールストーブの場合、私はその辺の薬局で買える燃料アルコールを使用しています。ストーブはトランギア。2500円程度で質実剛健、2012年に購入して以来使い続けて、まだまだ現役です。ガスストーブも持っていますが、ガス缶が意外と嵩張るんですよね。軽量コンパクト重視なら、アルコールを小さい容器に移してストーブと一緒にパッキングして出掛けます。扱いの難しさですが、仰る通りで、燃焼時間を燃料の量でコントロールしなければいけなかったりということもありますね。その点では、燃焼時間が明記されてるような固形燃料は扱いが簡単だし、コンパクトにもできます。旅館の鍋物を温める固形燃料とか、意外と優秀なんですよ。

宮:なるほど。ガスストーブは着火や消火、火力調整といった取り扱いはとても簡単で便利な反面、ガスの残量管理が面倒ですし、ほぼ空でも缶が割と重くて嵩張るので、自分もあまり使わないですね。あとストーブ自体も割と高い。アルストは自分もトランギアを愛用してます。燃焼時間のコントロールはアルストの難しさでもあり面白さでもありますね。アルコールを足したい時は火を消さなきゃならないんで、またすぐ着火できる道具やメソッドも求められます。固形燃料は火力調整こそできないものの、扱いやすい、コンパクト、初期投資も少なくて済む、入手しやすさもそこそこ、ということで身軽なキャンツーにはベストかも、と思いました。燃えるにつれて火が低くなることを考慮する必要があり、またアルコールと同様に風には弱いので、受け皿やゴトク、風防は上手く選びたいところです。といっても100均にあるものの組み合わせで大体いけちゃいますが。

ダ:そうそう、よくアウトドア用の固形燃料として挙げられるエスビットですが、長い期間保管できるのは良いんですけど、燃焼時のススが結構ネットリしていて食器につくんですよね。長期保管にこだわらないなら「カエン」のようなアルミ箔に包まれたタイプがおすすめです。ただ、エスビットのポケットストーブは良いと思います。パッキングしやすく、展開すれば固形燃料台座兼ゴトクになります。カエンは入りませんが、ライターや風防などを収納出来るので軽量コンパクト安価な感じでまとめられそうです。

宮:エスビットのポケットストーブはかっこいいし便利そうですね。付属のタブレットはススもエグいし臭いもきついんで、非常用に保管しておくなりすれば、と思います。そんなこんなで、「食」の基準点は「そもそも無理に自炊しなくてOK」としましょう。簡単でも温かいものをキャンプ地でお腹に入れたいなら、とりあえず100均で買える固形燃料エスビットのポケットストーブあたりを火器&ゴトクに用い、何かしら風防で守ってやって、小さ過ぎもせず邪魔にもならないサイズの金属カップ(※二重構造はダメ)かクッカーでインスタントのスープを作るくらいからやってみては、といった提案になるでしょうか。次はいよいよ積載の話に入りたいと思います。

ダイソーで手に入る固形燃料、ゴトク、家庭用ガスコンロ用のアルミ衝立をカットして作った風防をセットした様子
一式を畳んだ状態(ポケットティシューは比較用)

ダ:そのくらい緩い考えでよい、ということですかね。積載ですか、とうとうここまで来ましたね!

その他の持ち物

宮:あ、その前にちょっとだけ、衣食住のいずれにも入らない持ち物についてちょっと触れておきたいと思います。財布や携帯電話、鍵束といった貴重品は普段から当たり前として、キャンツーでは山歩きなんかと同様、救急キットと頭につけるヘッドライトくらいは持つべきですね。

ダ:そうですね。最低限の応急手当をどんな状況でもできるようにするにはどちらも必要だと思います。加えて軍手なども持つといいと思います。嵩張らないし、何かと便利です。

宮:なるほど。自分の場合はボロ布に同じような役割をさせてる気がします。あとは今時だとモバイルバッテリー関係でしょうか。自分の用途に合わせて少し余裕のある容量のものをジップロックか何かに入れて携行する感じですね。

ダ:ジップロックもついでに幾つか持つと軽くて丈夫で水を通さないんで何かと重宝します。では、積載いきましょう!

積載

宮:待ちきれない感じですね(笑) そしたらまずは、前回の序盤で参照した写真を改めて眺めてみましょう。専用品は中古で安く買ったフロントラックくらいとのことでした。こんな感じの流用・DIY中心でいくとして、ここまでの「住」「衣」「食」の荷物とボトル等、どう積みますか? 重量配分とかカテゴリごとにまとめるとか、考え方も色々だと思いますが。

ダ:そうですね、とりあえず写真のパッキングを簡単に説明しますか。まず、これは11月の信州を想定してるので、大きく嵩張る化繊のシュラフをフロントラックに載せています。ですが、夏であればこれはまるきり不要になります。代わりに着替えや食料を詰めたスタッフサックであればシュラフ程の大きさにはなりませんから、ハンドルにストラップで括るだけで事足りてしまいそうですね。

宮:ふむふむ。この時は他に小ぶりなデイパックを背負っていたんでしたね。中身は雨具や着替え、食料、調理関係、カトラリー、燃料、自転車修理道具、予備チューブ、救急キットといったところでしょうか。その夏バージョンであれば着るものがずっとコンパクトなので、確かにスタッフサックに詰めてハンドルバーに括ってしまえそうです。道中でちょっと食べるものや雨具、救急キットなんかは、すぐ出せるようにしておきたいですね。テント一式はトップチューブ下に括って、その下にボトル2本。ダウンチューブ下あたりに修理道具やチューブなんかも格納できそう。

ダ:デイパックの中やフレーム積載などは、概ねそんな感じですね。雨具や行動食のようなぱっと出したいものは、スタッフサックとは別のポーチ等に入れるのがいいと思います。スタッフサックは中身が増減するとまた形を整えハンドルに固定するストラップを調整する手間が発生してしまいますので、別のポーチを一緒に括りつけるとか、自分で持つとかした方が利便性が高いです。

宮:使える空間が大きいハンドルバー周りは嵩張るものを袋にまとめて配置するのに適していますが、行動中のアクセスしやすさも活かしたいエリアなんですよね。安価なステムポーチの類なんかも結構おすすめです。メインのボトルをそこにもってくるのもいい。

ダ:雨具はぱっと出せた方がよいといってもアクセス頻度は低いのでサドル後ろでも良いかもしれません。写真だとポリプロピレンのボードで自作したサポーターにロール式の銀マットを固定、そのロールの中にシュラフカバー等を入れていますが、雨具が入る余裕もあります。サドルバッグが無くとも、長くて多少剛性のある銀マットを活用すると簡易的なラックに出来るので、そこも参考にしてもらえればと思います。泥よけにもなるんで良いですよ。折り畳み式の銀マットであれば、ゴム紐などを組み合わせて雨具をパチンと固定出来るようにしてもいいと思います。

脚に干渉しないようカットした折り畳みマットをサドル後ろに括りつけるスタイル(ゴム紐を足せば雨具の固定も可能)

宮:サドル後ろも嵩張るものを配置するのに適してますね。ただ、走行中は視界に入っておらず荷物に異変が起きても気づかない恐れがあるので、構造的になるべく一つの包み、パッケージになっている方が安心だとは思います。もちろん既製品のサドルバッグである必要はなく、物が落ちないことが確実であればOK。

ダ:サドル後ろへの括りつけは、前後方向の荷物の動きを抑えないと走行中に少しずつ後ろにずれて全て脱落してしまうこともあります。自分の場合、タイヤチューブを裂いた帯状のゴムを補助的に使い、その伸縮性と摩擦力で脱落を防ぐ対策をやってました。いずれにせよ、何かしらの創意工夫は必要ですね。逆に、創意工夫があれば特に予算を割かなくても良いということかもしれません。ハンドル回りへの使用も含め、ガチッと固定するストラップとしては、登山用のアイゼン装着用ストラップや自転車のトーストラップに信頼を置いています。これらは非常に強力に締め付けができるのに加え、バックルも金属でベルトも分厚く頑丈です。しかもそんなに高くなく、モンベルのアイゼン装着用ストラップで2本1500円程度です。トーストラップは中古なら数百円で買えることもあります。

宮:モンベル/カジタックスのストラップは自分も好きです。サドル後ろはハンドルバー周りより気を遣う部分がやっぱり増えるんで、不安があればそもそも重要アイテムを配置しないという選択もあるように思います。この辺は重量バランスの話にも重なってきますが、そこはどう考えますか?

ダ:そうですね、好みによると思いますが、基本的に走行性を出来るだけ損なわないバランスを意識した方がいいと思います。とりあえずサドル後ろは一番軽くした方がいいです。荷物の脱落リスクも軽いと減りますし、走行性も良くなります。そして、フレーム前三角を最も重くするのがバランスとしては良好になるのではないでしょうか。ただ、ペダリングするときに脚と接触したり、ボトルがある場合スペースが十分にとれなかったりもするかと思います。

宮:車体の中心にあたる前三角に金属製品や液体など重いものを配置するのがセオリーですね。とはいえ形状の制約があるので、収納袋のスリムなテント一式をトップチューブに括ったりケージにボトルを挿すのは簡単でも、その他にまだ割と重い物が残ります。一部の食料、工具類、チューブなど。

ダ:前三角はサドルやハンドル周りに比べてただ括りつける方法では荷物を安定させるのが難しく、限られた予算の中で使い勝手の良い積載をするのが厳しいんですよ。フレームバッグの既製品やオーダー品を活用すればドンピシャをつくりやすくなりますが、費用面のハードルが高くなってきます。

宮:自転車用品でないものも含めた安い既製品を組み合わせたり改造したりしてパズルを完成させるのも面白いんですが、とにかく夏にキャンツー始めるぞ、てなシチュエーションでそこまでやる必要はないと思ってます。重力に逆らわないトップチューブ下とダウンチューブ下は括りつけスタイル、そうでないダウンチューブ上とシートチューブはボトルケージ利用、といった形でそこそこ前三角周りを有効活用できますね。

ダ:自作もフレーム周りはハードルが高いんですよね。ここまでの流れでいくと、前三角に収まらない物の重量配分は後ろより前に偏らせる形になるわけですが、ハンドル周りへ括りつける場合も、ブレーキや変速ワイヤーの取り回しに気をつけながら出来るだけステアリング軸に荷物の重心を寄せる工夫をすると走行性を損ないにくいです。

宮:その辺も考えると、なんだかんだで小ぶりなフロントラックがあると楽ですね。ライトの設置場所もより自由になりますし。また最近はフォーク脇にカーゴケージ等を固定するためのダボ穴が並んで空いていることも増えましたから、そちらに分散させるのもあり。ただカーゴケージ、ストラップ、スタッフサックをそれぞれペアで追加するとそれはそれで地味に費用がかかります。ラックが簡単に設置できる車体ならそっちの方がいいかも。

安いフロントラックを加工してフォークに密着固定、そこにマットとバックパックをドカ積み(筆者が2019年のきゃんつー集いで採用したスタイル)

ダ:そうですね。ラックがつくならそれを活用するに越したことはありません。ラックの取り付けステーも有効利用すれば、天板だけでなく横にも荷物を括りつけたり、かなり積載の幅が広がります。アルミ合金製で2000円台の安いラックも入手しやすく、日常使いでも便利です。ガラッと仕様が変わってしまいますが、フロントに限らず、2020年のきゃんつー集い参加メンバーも採用していたリアラック+バックパックという構成も魅力的です。これは、走行性は特殊になるものの、輪行や他の活動との両立が容易であるという利点があります。もちろん、フロントラックでも同様のことは可能ですが、ハンドルとの組み合わせ次第で難しい場合が多いです。結局のところ、自分がどの程度のどんな方向性の不便と便利を求めるかという所が大事なんだと思います。

リアラックにカゴを設置し、そこにバックパックを放り込むスタイル

宮:そうそう。ママチャリの前カゴにデイパックを放り込み、リアラックにマットとかを括って出発、とかでも全然いいんですよね。実践せずに最適解を延々と考えたり誰かが提示してくれるのを期待するより、安全面のポイントだけ押さえてさっさと飛び出した方がいい。積載の基準点としては、荷物が落ちたりブレーキ等の正常な機能を妨げたりしないことを最優先に、重量バランスの面では前三角>車体前部>車体後部となる振り分けを意識しつつ、それぞれの走り方に合わせ思い思いに括りつけたりしてとにかく出かけよう、ってことでどうでしょう?

ダ:ほんとそれですね!世の中に様々な作例はありますが、自分に適しているかどうかは別ですんで、ポイントを押さえつつとにかくやってみるのってホントに大事です!表にでないだけで、色んなスタイルの人がいますから、どんなものでも安全に走れればいいと思います。

宮:キャンプツーリングだからといって必ずしも特別な積載ギアが必要なわけじゃない、という点は強調しておきたいです。食材などの一時的に増える荷物にはサコッシュで対応するとか、身の周りにあるもので結構どうにかなっちゃう。そんなこんなでまた「キャンツーは人それぞれ」に戻ってきましたね。最後に、前編後編を通じて「基準点」として挙げてきた装備をほぼ全て積んでみた写真、いきましょうか。

ダ:私のシングルスピードツーリング車にぽんぽこ荷物を括りつけたものですね。自分でもびっくりするくらい荷物が少ないですし、積載用のギアといえばストラップくらいのもので、他は流用品ですから軽量、夏のツーリングならオッケーな内容になってます。ただし、この積載はこれで完成品じゃありません。自転車の荷積みって、実際に想定する活動をしながら少しずつ変化・最適化させていく物だと思ってます。ツーリングに行って初めて実践的なアレンジが加わるんですが、帰ってくると今度は違う課題が見えてくる、そんなことを延々繰り返し繰り返し、という感じで私は今の今まで続けています。それが堪らなく好きなんですけどね。だから、簡単には答えはでないと思います。宮田さんも仰ってますが、とにかくポイントだけ抑えてフィールドに出るという事が大事だと思います。

宮:めっちゃいいまとめですね。人それぞれ、そしてまたやりたい活動ごとに答えは変わってくる。その試行錯誤を楽しみながら重ねていくための考え方のベースをこの対談が少しでも示せていれば嬉しいです。二回にわたり、ありがとうございました!

ダ:そうですね。加えて、キャンプツーリングをしようとする時にあーだこーだ考える楽しさ、そして意外と縛りのない自由さを少しでも感じて頂けたなら幸いです。お誘い頂き、ありがとうございました!

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