軽く自転車が登場するポップ・ソング5選

どこまでも拡大し常態化する新型コロナウイルス感染症、地球温暖化の逆証明なのか近年稀に見る大寒波、傲慢なポピュリズムにより崩壊寸前の民主主義などなど、目を覆いたくなる状況が続く。そんな時にこそ能天気な音楽を聴くのはどうだろうか。ここでは自転車の価値や意義はさておき、何故か自転車に関連する楽曲を取り上げる。もちろん、そこにも自転車ならではの何かがあるはずだ。

Carlos Vives & Shakira – La Bicicleta

まずはコロンビアよりカルロス・バイブスシャキーラによる、その名も「La Bicicleta(自転車)」(2016年)、南米らしい明るく軽快で少し陰りのあるラテン音楽。映画「ラ・ラ・ランド」よりも早く渋滞する自動車から抜け出し、カリブの海辺を自転車で走り、故郷の村でダンスを繰り広げる。スペイン語の歌詞は自動翻訳によれば、自転車でどこへでも連れて行って欲しいと恋人に乞う内容らしい。

Katie Melua – Nine Million Bicycles

グルジア出身でイギリスで活動するケイティ・メルアは「Nine Million Bicycles」(2005年)のタイトル通り、北京には900万台もの自転車があると歌う。「それは真実であり、否定できない。私が死ぬまであなたを愛する事実のように」とメランコリックな曲調だけに凄みすらある。北京の自転車台数は推定9,510,091台で妥当な数値らしく、中国全体では約4億台との報道もある。

Red Hot Chili Peppers – Bicycle Song

ロサンジェルスのオルタナティブ・ロック・バンド、レッド・ホット・チリ・ペッパーズの「Bicycle Song」(2006年)は落ち着いたメロディアスな曲。ベッドから水に飛び込んだ少女が湖畔で自転車を見つけてペダルを漕ぐ。ただ、ビデオで自転車が描かれるのはそれまで。「自転車は良い発明だ。どうすれば自転車語りを忘れられるか」などと歌われるが、それは脈絡のない世界で浮遊しているようだ。

Sia – Riding On My Bike

「Riding On My Bike」(2020年)は、オーストラリア出身のシーアパンデミック下の子供たちへのチャリティ・アルバムに提供した明るく素朴な曲。古い自転車ソングのような演奏に乗って「自転車に乗るだけで楽しい。街角を一周するよ」と素っ頓狂に歌う。目まで隠したオカッパ頭や大ヒットした「シャンデリア」のようにエキセントリックな印象が強いシーアだけに、ほのぼのとした曲調が可笑しい。

KHS & Kina Grannis – Cheap Thrills

そんなシーアの「Cheap Thrills」(2016年)をロサンジェルスのシンガー、キナ・グラニスが自転車に乗って歌うと、これまたほのぼのしてしまう。ビデオ監督であり演奏で共演しているKHS(カート・ヒューゴ・シュナイダー)のアイディアなのだろうか、フレームやタイヤをスティックで叩いてリズムを作り出す。johnnyrandomのようなタイトさはないものの、これはこれでリラックして楽しめる。


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