続々々・シマノの電動アシストSTEPSの実験

【注意】本稿では電動アシスト自転車のスピード・センサの機構を変更している。改造やハックと呼ぶにはおこがましいが、予期せぬ故障を引き起こし、メーカの保証を受けられない可能性がある。また、公道で走行すると道路交通法違反になる。無人の私道などでの走行であっても、十分に安全に配慮すべきだ。筆者は一切の責任を負わないので、同様の試みは自らの責任で行って欲しい。

これまでミヤタのRidge Runnerの速度センサーについて動作の確認と変更を行ってきた。具体的には、クランクの回転によって速度センサーを動作させること、車輪の回転をギアによって減速させること、そして、磁気センサーと電磁石をArduinoによって制御すること、だ。つまり、速度センサーが検知する磁力という外部要因を変化させており、システム内部は変更していない。

磁気センサー、電磁石、Arduinoによる実験

一方、電動アシスト機構内部の電気信号を変更することも考えられる。非公式と思われるサード・パーティの製品もいくつか存在する。もっとも、Ridge Runneに組み込まれているシマノの電動アシスト・ユニットSTEPS E8080用の製品はなかった。欧米で実績のあるE8000用製品の開発元に尋ねてみても、返事は得られない。E8000をベースにしたE8080は日本仕様のマイナーな製品だからだろう。

ところが、最近になってE8080に対応した製品を見かけるようになった。どれが良いのか見当がつかないので、なんとなく選んだのはイタリアのGARBO SNC社のSpeedUp FURIOUS for Shimano Steps E6000 E6001 E6002 E6100 E7000 E8000 E8080。長い対応機種リストの最後にE8080が加わったので、いずれも同一の、あるいは簡単に対応できる通信方式のようだ。

このSpeedUp FURIOUS for Shimano Steps(以下省略)の価格は119.00€、日本への送料が20.40€が加わって合計139.40€(17,000円強)だった。2019年3月23日に注文したところ、イタリアからEMSで3月25日に発送、日本で受け取ったのは4月5日。ちょうど2週間かかったことになる。緩衝材入りの小さな封筒で届いたそれは、拍子抜けするほど小さく簡易なデバイスだった。

製品の取り付けも簡単で、ゆっくり作業しても10分程度だろう。ビデオを見れば一目瞭然だが、電動アシスト・ユニットのカバーを取り外し、速度センサーの通信ケーブルを抜いて、このデバイスを経由するように再接続する。また、電動アシスト・ユニットから電源を取るようにリード線を接続する。デバイスはユニット内に収まるので、カバーを戻せば外観は元通りになる。

このデバイスは速度センサーからの速度情報を受け取り、その速度情報を書き換えて電動アシストの制御ユニットに渡していると思われる。どのように書き換えているかは明らかではないものの、例えば数値を半分にすれば、実際の速度の半分で走行していると見なされる。つまり、これまでの実験と同じような動作になるはずだ。ただ、このデバイスは取り付けたことが分からないスマートさが利点だ。

SpeedUp FURIOUSには2種類の製品があり、Easyバージョンは常にデバイスが動作するタイプで、On/Offバージョンはライトの点灯に連動する。ライトはディスプレイSC-E6010の下部右側のボタンで操作する。このボタンは無効になっているので、SM-PCE02を使ってPCを接続し、E-Tube Projectアプリでライト機能を有効にする必要がある。実際にライトは取り付けられていなくても、問題はない。

また、SpeedUpシリーズにはDi2と併用できるSpeedUp GHOSTや、Bosch、Yamaha、Panasonicなど各社の電動アシスト・ユニットに対応した製品がラインナップされている。想像するに、いずれも暗号化通信や認証式接続といった複雑な通信ではないのだろう。しかし、社会の制約と人々の欲求が拮抗する時代が来るのかもしれない。ただ、それは機械の本質ではない。

【追記】続々々々編では異なるサイクル・コンピュータを用いて実験を行った。(2019.06.12)

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA