コペンハーゲンのアマー島でサイクリング

コペンハーゲンの中心部東側にあるアマー島()は、近郊サイクリングにぴったり。その面積は65km²だから、山手線の内側(63km²)ほどの大きさで、北部に住宅地、南部に空港がある。広大な自然公園もあれば、長い海岸線を走る自転車道もある。市街地の自転車レーンも広いので、気の向くままに走れる。ここでは半日または一日のサイクリング・ルートの一例を紹介しよう。

まず、コペンハーゲン中心部とアマー島の間にある川のような狭い海峡には、素敵な歩行者・自転車専用橋が架けられている。自動車が走る大型の橋にも、広い自転車レーンがある。これらの橋を渡ることが、アマー島サイクリングのスタートになる。お薦めはニューハウン東の2つの橋()。XYZ Cargo()にも立ち寄れるし、クリスチャニア()は全域をゆっくりと自転車で回って欲しい。

フリーキーなクリスチャニアを抜けると、その北側は綺麗な舗装道路となり、美しい発電所()や工場、大型施設が現れる。ちょうど世界三大がっかり像の人魚姫()の対岸に見えるあたりで、煙突だけでもウットリする。アミューズメント施設()やスポーツ施設()、ヨット・ハーバー()、それにカフェやレストランもある。新興地域らしいが、木製クレーン()などの歴史的建造物にも出くわすのも楽しい。

アマー島の東部を少し南下したあたりで、小さな橋を渡ってアマー・ストランド公園(Amager Strandpark)()に入る。この細長い島の大半は、砂地と灌木地帯になっていて、ゆるやかに曲がりくねる自転車道を走るのは不思議な感覚。浜辺で水と戯れる子供いれば、マリン・スポーツに興じる若者もいる。遠くにはMiddelgrunden海上風力発電所が蜃気楼のように見える。

半日ライドであれば、このあたりでコペンハーゲン中心部に引き返すのが良いだろう。もう半日許せば、さらに南下しよう。堀を巡らせた小高い丘が日本の古墳を思わせる古い要塞Kastrup Fort()、不時着した宇宙船に似たデンマーク水族館()、そして発着する飛行機を間近に見るコペンハーゲン空港()などが次々と現れる。スウェーデンに渡る壮大な橋オーレスン・リンク()もここから始まる。

空港の東側を通ってアマー島全周コースも良いが、ここでは空港の北側を西に進み、住宅街を走ってDen Røde Port()を目指す。ここから広大な共有地Kalvebod Fælled(Vestamager)()に入る。三方向に見渡す限り道が続く。道路は舗装されており、自動車禁止なので、快適に走行できる。ただ、施設が少ないので、入り口近くのネイチャー・センター()に寄っておくのが良いだろう。

ここでは草原、灌木、木立、池、小川、干潟などが数キロ単位で続いているので、普段の感覚がアテにならない。ただただ、ひたすら広い。東端の道を辿って海に出れば、そこからは巨大な円弧を描いて海岸線をひた走る。水平線と地平線の接点が自転車道の消失点となる。開放感と同時に不思議な異世界感が漂う。やがて対岸には凛とした発電所が見える。そのまま海沿いを走って市街地に戻る。

このようにコペンハーゲンの中心部から続くアマー島は、都会と自然、人為と無為が見事に共存している。緑の草原に点在する住宅、青い海原に続く白い風車、これぞ子供の頃に絵本やアニメで見た未来像だ。環境を破壊する重化学工業や自動車を退け、クリーンなテクノロジーを活用する。コペンハーゲン自体が魅力あるコンパクト・シティの典型であり、その移動手段を担うのが自転車に他ならない。

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