”サイクリングを音楽にする”プロジェクト「Sound of Cycling RE」制作記第7弾。2026年3月14日、15日、展覧会「クリティカル・サイクリング展 この大きな空の下、風になる」が開催された。屋内、屋外展示ともに多くの来場者の方に楽しんでもらえたと思う。本稿では「Sound of Cycling」の屋外展示の様子について手短ながらお伝えしたい。
大きな空の下、風になった
幸い会期中の岐阜県大垣市の天気は快晴。14日の最高気温は15度とぽかぽかしたよい天気だった。しかし、風は強く、15日の瞬間最大風速は15.3m/sだったとのこと(気象庁サイト)。実際、野外展示会場に設けられたフラッグは、ほぼ水平にたなびいていた。

そんな中「Sound of Cycling」の展示では、両日で延べ43名の方に乗車体験していただいた。小学生から高齢の方まで年齢層も幅広く、自転車に興味のある人から、ふらっと立ち寄った人まで、興味関心の幅も広かったと思う。
ずっと乗っていたい
体験した方、みなさんから感想を教えてもらった。
「音楽になっている」「音が自転車の運転に連動している」「ずっと乗っていたい」などうれしい感想も。会場周辺の道路を走って戻ってきた後、もう一周いいですかと、おかわりする方もいた。シンプルに「おもしろい!」と言ってもらえるのがうれしかった。もちろん疑問点、改善点もいただいた。ゆっくり走る人、ひたすら飛ばす人、急発進、急停止を繰り返す人、それぞれの乗り方があっておもしろい(走行ログ記録や乗車時の音をレコーディングをしなかったのが悔やまれる)。

また、意外と評判がよかったのは「ネックスピーカー」。もともとホームシアターで映画などを楽しむように設計されているので音質はよい。普通に市販されている製品を使用しただけではあるが、実際に使用したことがある人は少ないのかもしれない。この作品へのチョイスとしてよかったのではないかと思う。ちょうど風が強かったのもあるが、リアルに入ってくる風音とスピーカーからなるうねり音がいい感じにミックスされたようだ。
今回、短距離・短時間走行という展示用チューニングを施していたのも多少は効果的だったのかもしれない。短時間で音のバリエーションが感じられるように、ピコピコ音(傾きに連動)の発音ポイントを増やしたり、フィルターの開き(低速時にこもり、速度があがるにしたがって輪郭がついてくる)のレンジをさげたりしていた。その他、特定の速度に達したときだけ鳴る音や、安定走行が続いた時に全体の音が変化していくような効果も仕込んでいたが、そこは特に体験者に意識させることなく、サイクリングの一環として感じてもらえたのではないかと思う。

これから
直接感想を聞けるのは展覧会ならでは。作品の方向性、成し得た部分、今後の可能性などについて、多くの示唆をいただいた。体験していただいた方には感謝しかない。本当にありがとうございました。今後、より探求しつつ、他の表現領域への展開など、元々のコンセプト”サイクリングを音楽にする”をさらに突き詰めていきたいと思う。
