コロナ禍に入った頃、私は東東京にある駅から少し離れた街へ引っ越した。日々の買い物は徒歩圏内で済ませられ在宅勤務で駅との行き来はほぼなかったが、気分一新のため約25年ぶりに自転車を買うことにした。
以前に乗っていた頃
当時、私は東京の城北エリアに住んでいた。小径の折りたたみ自転車、プジョー・パシフィック-18(PEUGEOT Pacific-18)に乗り、自転車を取り巻く文化に深くはまっていた。片道10キロほどの自転車通勤の帰り道は、走ったことがない道を適当に走るのが日課だった。山手線の内側は自転車で移動した。クリティカル・マス(Critical Mass:自転車に乗る人々が、街中を大勢で集団走行する社会運動)に参加し、数十台の自転車仲間と街なかを走った。しかし、職種や生活スタイルが変わり、自転車に乗る機会が減り、手放した。
条件を絞る
自転車界の動きをほぼ追っていなかったので、いまどのような自転車が出ているのかがわからない。まず、久しぶりに自転車を買うにあたり、以下の3つの条件で絞り込んだ。
- 街乗り用であること
競技や長距離ライドではなく、通勤や買い物、気分転換に使える「生活の脚」としての自転車が欲しかった。 - 変速機がないこと
以前乗っていたプジョー・パシフィック-18をシングルスピードにしていた経験から、ダイレクトに地形を感じられる感覚が好みだった。東京東部の起伏が少ないエリアなら、シングルスピードでも十分だと考えた。 - 10万円以内であること
特別なものではなく、手軽な存在として自転車と向き合いたかった。そのため、コロナ禍の緊急経済対策の施策として支給された特別定額給付金の10万円以内で買えるものに絞った。
自転車を探す
条件に合う自転車を探し始めたところ、サーリー(SURLY)のような「自作のこだわり自転車」的なメーカーが出現していたことに驚いた。ただ、価格は条件に合わなかった。ペップ・サイクル(Pep cycles)のNS-S1という個人メーカーが作った自転車を見つけた。サーリーに似ており、10万円を少し超える価格は許容範囲だった。後から変速機を付けられるなど、カスタマイズの幅が広いのも魅力的だったが、試乗が難しい点がネックとなった。その他に10万円以下で買えるピスト・バイクもあったが、「生活の脚」にはスポーツ色が強すぎると感じた。
TOKYOBIKE MONO
自転車販売店のオリジナルブランドも調べる中で、トーキョーバイク(tokyobike)のTOKYOBIKE MONOが目に留まった。公式サイトには、コンセプトが書かれていた。
CONCEPT
トーキョーバイクは「街」を走るための自転車として生まれました。
「MONO」はギリシャ語で「1つの」を意味する接頭語。ペダルを踏み込んだ瞬間に感じる、圧倒的なこぎ出しの軽さを実現した変速のないシングルスピードの自転車です。
トーキョーバイクの原点に立ち返り、気軽な見た目とワクワクするような乗り心地が自転車の楽しさを改めて感じさせてくれるモデルです。
https://mono.tokyobike.com/
このコンセプトに強く共感し、仕様も街乗りにちょうど良いバランスだった。コロナ禍で自転車の需要が急増していた時期だったが、直営店で試乗でき、すぐに入手できたのも決め手だった。
谷中にある江戸時代から続く酒屋の建物を改装したトーキョーバイク本店(現在は清澄白河に移転)で試乗したところ、標準のままではハンドルが低く感じたものの、他は問題なかったので購入を決意。パーツ交換で変えられるものは後でどうにでもできる。ライトやカゴ、防犯登録を済ませて合計6万円ほどだった(※現在は価格が上がっているようだ)。残り4万円でカスタムできる楽しみができた。

こうして私は、買ったばかりの自転車に乗り、東京スカイツリーを正面に見ながら寛永寺陸橋を下り、何度目かの自転車生活をスタートさせた。

This article offers a relatable journey in finding a perfect urban bike, balancing practicality with personal preference. The authors thoughtful criteria and discovery of TokyoBike MONO resonate with anyone seeking a mindful cycling experience in the city.