BMXグラフィティ(6)制作篇

先月の記事で書いたスプレー缶が噴射可能になったBMXを用いて、色々な絵(グラフィティ)を描いた。

今回紹介するのは、6月頃に制作した習作シリーズである。

(1)キャンバスサイズをSM号(227mm × 158mm)から50号(1167mm 803mm)まで5種類にトリミングしたシリーズ、(2)トリミングを何もしてないP500号(2182×3333mm)、(3)直径1800mmのサイズの木材に描いたものがある。この(1)~(3)の3つのシリーズで、筆者はトリミングや、素材による印象の違いを提示した。

(1)BMXに取り付けられたスプレーを使用してトリックの軌跡を大判紙に描き、その後SM号から50号までのサイズにトリミングされた作品シリーズである。トリミングされた絵はBMXのトリックの軌跡という具象的なイメージもトリミングし、滑らかな物理的曲線が描かれた抽象画のような印象を与える。しかし、近づいて確認すると、その抽象性の背後に隠れた具体的な要素が明らかになる。BMXのタイヤの痕跡、足跡、トリックによって引き起こされた紙の破れや歪みなど、通常の絵画では見られない独特の要素が、BMXでトリックが行われたという事実をオブジェクト化し、深みを加えている。

(2)

(2)トリミングしたシリーズと比較するとわかりやすいが、BMXのトリックのラインがダイレクトに描かれている。トリミングを一切行っていない為、BMXのトリックのラインがダイレクトに描かれている。そして、BMXのタイヤ痕や足跡、トリックによる破れ、紙の歪みなどが彫刻作品のようにトリックのイメージがオブジェクト化されている。

(3)

木材の上でBMXのグラフィティを行った作品。元々は作品ディスプレイだった木材に飛び乗りBMXトリックを行った。紙とは違い破れや歪みはないが、ジャンプする事でスプレーの濃淡などがオブジェクト化されている。

前回の記事で書き逃したが、スプレー噴射はノズル変更で、太さ、高さを変更できる。今回の習作では、色んなノズルを試しながら描いた。

(1)普通のプレーンなノズル フワッとした線が描ける。

(2)100mmのプラノズル。柔らかいプラスチック素材なため、トリック失敗時にコケてもノズルにダメージが少なく、BMXとの相性も良い。プレーンなノズルに比べて細い線が描ける。

(3)100mmのステンレスノズル 100mmのプラノズルに比べて細い線が描けるが、トリック失敗時にノズルが曲がりBMXに適してない。

(4)140mmのステンレスノズル 100mmのステンレスノズル同様に失敗時に曲がり扱いづらい。

(5)BMXとスプレー缶を結合するパーツ。このパーツを使いBMXとスプレー缶を結合させる。着用画像は前回の記事にある。

6月に4つのノズルを試行錯誤しながら使ってみて、BMXとの相性が良いと感じ、今後も使おうと感じたノズルは、(1)、(2)の2つのノズルである。トリック失敗時に壊れるリスクが少なく、トリックラインをナチュラルに描くと感じたためだ。

今回は、6月に制作した習作シリーズを掲載した。6月での筆者は、まだ核心を掴めておらず、あらゆる実験を繰り返していた。次回10月21日の記事では、6月以降に制作した作品の紹介をしていく。

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