BMXグラフィティ(5)プロトタイプ制作篇

これまでの連載では、BMXとグラフィティの歴史や種類について触れてきた。初回で触れた通り、この目的は、グラフィティと自転車を融合させ、新しい体験を生み出す自転車制作の過程と結果を紹介することである。今回の5回目では筆者が制作している自転車の紹介を行う。制作は今年の1月から開始された。

まずは1月に制作したプロトタイプ。

BMXに養生テープがかなり貼られており、見た目の完成度は、ご容赦いただきたい。

自転車は、ブレーキを引くとワイヤーが動く仕組みを持っており、このワイヤーの途中にスプレー缶が取り付けられている。ブレーキを引けば、スプレーが噴射されるという仕組みである。しかし、この方法では噴射されるインクがフレームに多く付着するという問題が発生し使い物にならない。だがブレーキの仕組み自体には可能性があると判断し、ブレーキワイヤーを地面に近づける新たな試みを考えた。

新たに考案された方法は、元々のブレーキワイヤーを取り外し、より長いものに置き換えるというものである。この手法により、ワイヤーを地面にぎりぎりまで引っ張り、直接地面への噴射を試みた。

スプレーの先端にブレーキワイヤーを噛ませる

噴射はできるが、噴射のラインが不安定で、均一にインクが出てこないという問題が生じた。これはスプレー缶が逆さまになると正常に噴射しづらいというスプレー缶自体の設計上の問題であった。

そのため、新しいアイデアとして、スプレー缶を横向きに固定する方法を試した。具体的には、BMXのペグにドリンクホルダーを取り付け、その中にスプレー缶を固定するというものである。この方法により、スプレー缶の交換も容易となり、安定した噴射ができるようになった。

次回は9月21日。完成したシステムを用いて絵を描いていく。

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