Cycle ── 自転車をめぐる散文詩の試み その9

「自転車をテーマに詩を書け」と依頼され、それに応えて400文字を書く、という詩の9回目。松井さんをなんとか自転車に乗せようというのが裏テーマだと赤松さんに言われ、それを聞いてしまったら、乗りたいという気持ちに傾いていた僕としても、赤松さんにバランスをとって、自転車に乗らないことが僕のメインテーマですから、と言わざるを得ないことになるわけで、それはクリティカル・サイクリング宣言に語られる、バランスの復権ですよと、この精神に則る限り、両者の主張は平行線となって、僕が自転車に乗りたくて乗りたくてしょうがないとなったと仮定して、それであるにもかかわらず、赤松さんがご機嫌斜めから、松井さんに貸せる自転車なんてあるわけないでしょう、ホント勘弁してくださいよ、と応じたところ、軽く逆キレ気味に、はぁ? もう一度言うけど、あなたの所有するいちばん良い自転車を僕に貸せって、頭下げて言ってるわけよ、的バランス!

One comment

  1. 諸事情をご存知ない方のために補足させていただくと、松井さんを自転車に乗せようとしているのはプラクティカル・サイクリングと銘打つ情報科学芸術大学院大学での学内研究プロジェクトでの裏テーマであって、本サイトを含むクリティカル・サイクリングでの裏テーマは松井さんに自転車をモチーフとする詩集を出版させることなので、お間違えないようにお願いします、ってのは今思いついた薄っペラい目論見でしょ?と言われかねないので、私は一休さん、虎はダミアン・ハーストがペイントした自転車、それを貸せと言う松井さんはお殿さまでしょ?とニコニコと応え、そのような自転車が寄贈されるほどクリティカル・サイクリングを盛り上げて参りましょう、ご一緒に!と慇懃無礼にまとめるのが「自転車をテーマに詩を書け」と依頼され、それに応えて400文字を書く、という詩の9回目へのコメントでございます、と字余りも字足らずもなく一文で書くの大変です。

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