Practical Cycling 5:回転する閾値

前回に引き続き「回転するグラフィック」を実践してみる。

透明のフィルムにプリントした直線や曲線などの単純な図形を吊り下げることで物理的に回転させた前回の手法に対して、今回はPCの画面上のみで回転をシミュレーションしてみた。当初はアニメーションするためのツールとして、Adobe Animeteを選んだものの画像を連番で格納するGIFアニメーションのファイルは、圧縮による劣化が耐えらず已むなくボツ。

スマートにジェネレートする? アニメーションを目指そうと思い立つ。ランダムの閾値などパラメーターを調整しバリエーションが生まれる面白さや、数学的な美しさの中にある実世界との繋がりを想像しながら拙い技術で奮闘する。本来なら回転するアニメーションとして見せるところだったが、制作で使用したProcessingデータをWebで表示する手前で時間切れとなり、ひとまず現時点では静止画にて。

//(c) David Mrugala (thedotisblack)

float angle;

void setup() {
  size(640, 640);
  background(#ffffff);
}

void draw() {
  
  translate(width/2, height/2);
     
  rotate(radians(angle));

  for (int n=0; n<10; n++) {
    
    float x = random(100, 220);
    float y = random(100, 220);
    float xx = random(20);
    float yy = random(20);
    
    stroke(random(255), random(255), random(0));
    line(x, y, xx, yy);
  }
  angle++;
}

技術的に参照したのは「thedotisblack」。オープンソースの可視化ツールで代表的なProcessingを使い、RGBの値を3種の表現で組み合わせた。創作の発端となった事例は、杉浦康平により1962年に発表された「武満徹との共作の楽譜・弦楽のためのコロナ」。印刷の三原色(青・赤・黄)からなる円形のパターンを3つのシートが重ね合わせることで様々な色彩のパターンが生まれる。

印刷技術を熟知していた杉浦だからこそ、半世紀以上前の実験精神が現代でも輝きを放っている。

参照:

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