ツイード・ラン尾州名古屋2022に参加

3月12日に開催されたツイード・ラン尾州名古屋2022に参加した。これはツイード(毛織物)の衣服を身につけて自転車で街を巡るユルいイベント。2年ほど前のツイード・ラン尾州羽島2019は楽しかったものの、今回は遠慮しようと思っていた。それはコースが名古屋の中心部であり、良い印象がないからだ。しかし、それでも参加したのは春の陽気に誘われたからに他ならない。

そんな予感が的中。当日は快晴で気温は22℃にも及ぶ。暖かいどころか暑くてツイードのジャケットを脱ぐ人もいる。そして市街地中心部の劣悪な道路事情を痛感する。僅かにある自転車専用レーンは直進性に乏しく途切れ途切れ。青く塗られただけのレーンはクルマが割り込んでいる。そして大半は歩道走行になり、タイル敷や段差で振動が激しく、歩行者が多い割りには歩道の幅が狭い。

それでも終盤になると走り易くなる。自転車レーンも歩道もないが、単にクルマが少ないだけでとっても快適。これでようやく周囲の街並みを眺め、参加者の自転車やファンションを楽しめる。声を掛けて、ざっくばらんに話をする余裕も生まれる。このような対比的な構成で悲惨な道路行政を浮き彫りにし、苦から楽への展開でクルマ社会からの脱却を訴えているのだろう。見事な演出だ。

同様にポタリング的な楽しみも希薄で、庭園と資料館での自由時間があったに過ぎない。前回の羽島では普段は入れない場所が多く盛り込まれ、丁寧な説明があったのに比べると、かなり物足りなく思える。これも名古屋文化の乏しさを訴えているのだろうか。もっとも、30分ほどずつ放置されていたおかげで、自転車やファッションの撮影や参加者同士の会話が弾んでいた。これもまた見事な演出と言える。

見事な演出とは皮肉っぽいが、そうではない。未だ猛威を振い続けている新型コロナウイルス感染症のために、企画運営が困難であったのは想像に難くないからだ。募集期間が短かったこともあって、参加者は例年の半分、100人ほどだったそうだ。密集を避けるために断念した企画も多くあったに違いない。主催者に感謝するとともに、新しい時代の新しいライドを再び考えたくなる、そんな一日だった。

また、イベントはイマイチだったとしても、参加者の衣服や自転車は気合いが入っていた。ビンテージ自転車に詳しい知人によると、前回よりも貴重な名車が数多く集まっていたそうだ。そんな中で筆者がベスト自転車と思ったのは蒸気夫人スチーム・パンク自転車。産業革命を経てイギリスで自転車が興隆したことを踏まえると、別の世界線ではこんな自転車が街を駆け巡っているに違いない。

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