プーチンさん自転車に乗る

ロシアの大統領ウラジーミル・プーチン(Владимир Владимирович Путин / Vladimir Vladimirovich Putin)が自転車(велосипед)で緑豊かな公園を走る映像がある。フラフラと乗るのはフル・サスペンションのマウンテン・バイク。機関銃は付いていない。並走するのはタンデム体制の盟友ドミートリー・メドヴェージェフ(Дмитрий Анатольевич Медведе / Dmitrii Anatolievich Medvedev)。

2011年の記事によると、撮影されたのはモスクワ郊外のゴーリキイ公園。プーチンが首相であり、大統領への復帰が取り沙汰されていた頃だ。静かな公園にカメラのシャッター音がマシンガンのように鳴り響く。つまり広報用の撮影セッションだ。相方との友好関係を示し、ラフな服装で余暇を楽しむ穏健な姿を伝えたいのだろう。映像の後半にはバドミントンに興じる様子まで登場する。

意外だったのはプーチンの運動神経。自転車のサドルは低めで屁っ放り腰、ペダルを漕ぐたびに上体が揺れて体幹が安定しない。バドミントンもテイクバックなしに片手で押し出すだけの羽根突き状態。柔道8段にして上半身裸になりたがるマッチョなイメージが強いだけに、素人じみた動きに笑みがこぼれる。そう、騙されてはいけない。これは親しみやすさを狙った演出なのだ。

そんな憎めないプーチンだけに、ブロマイドやグッズはアイドル並みに百花繚乱。この自転車に乗る姿も2019年のカレンダーに採用されている。ただし、経済制裁なのか、注文してもPayPalでの決済は保留になった。ともあれ、プーチンには戦闘機ではなくオートバイでもなく、もう一度自転車に乗って欲しい。軍用としてアテが外れた自転車に学び、公園でリラックすることが必要だからだ。

だからプーチンにプレゼントしよう。旧ソ連時代に最も人気があった自転車「ウクライナ」を。 1926年にハリコフで生産が始まり、ソ連崩壊の1991年までに3,000万台も出荷された計画経済の申し子。何回かのモデル・チェンジを経て、100年近く経た現在も入手可能。細身のフレームやホイールが美しく、砲弾型ライトやツール・バッグがチャーミング。プーチンも気に入るに違いない。NO WAR。

Men’s road bicycle “Ukraine” B-134 , manufactured in 1969 in complete set

【追記】ウクライナの大統領ウォロディミル・ゼレンスキーと自転車の関係を紹介した「ゼレンスキーさん自転車に乗る」を公開している。本記事と併せてご覧いただければ幸いです。(2022.03.09)

【追記】発注していた自転車に乗るプーチンを含むカレンダーがモスクワから届いた。PayPal決済の承認に時間がかかっただけでなく、その後に発送したとの連絡があってから受け取るまでに16日間もかかった。航空便にしては異様に遅かったのは何故だろうか。紙も印刷もクオリティが低いのはご愛嬌。

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