ジャケ買いとは中身を知らずにジャケットなどパッケージの写真やデザインに惹かれてレコードなどを購入すること。オンライン試聴が当たり前の今日では想像もできないが、良い音楽は良いジャケットであることを根拠に、命題の逆は成り立たないことを無視していた。そんな20世紀文化に習って、筆者が気に入った自転車のジャケットを並べてみる。その実体が如何なる音楽であるかは関知しない。
いずれもインターネット検索して面白いと思ったジャケットであり、買ってはいないので看板に偽りがある。もっとも多くはサブスクリプションで聞けるので、買う必要がない。むしろ雰囲気で選んだプレイリストやレコメンド・エンジンが勝手に流す音楽を聴きながら、ふと目に入るのがジャケットなどのアートワークだったりする。音楽もジャケットも時代とともに陳腐化してしまった。
一方、このような検索こそが興味深い体験に繋がるかもしれない。今回も知らない音楽に出会っただけでなく、BTSのリーダーRMは自転車好きとか、興味を失っていたアルバムの発売を今になって知るとか、少なからず発見があった。タンジェリン・ドリームはクラフトワークに対抗しているのか?、In Colorのオリジナルはオートバイだね、と下世話な連想も、ちょっと楽しい。