再び年末のロング・ライド狂騒曲、FESTIVE500

クリスマス・イブから大晦日までの8日間で500kmのライドを行うFESTIVE5002016年に初めて参加して、トラブルに見舞われながらも何とか達成。昨年2017年は怪我が完治していなかったので見送り。その後、少しずつ自転車に乗るようになったものの、以前よりは回数も距離も少なくなりがち。そこで、2018年は体調復帰の確認を兼ねて、再びFESTIVE500に挑むことにした。

前回の経験からして、FESTIVE500は体力勝負ではなく、気力と環境の勝負だと思う。一般にロード・バイクに乗る人なら、一日平均62.5kmのサイクリングは難しくない。しかし、それを数日間続けるとなると飽きてしまう。年末の仕事や雑事もこなさなくてはならない。そこで今回は休暇を取り、近隣から遠方まで様々な場所に出かける計画を立てた。これで飽きることなく、ライドに集中できるはずだ。

Day 1 – December 24, Monday – 150.9km (150.9km in total) 

初日から大胆にも琵琶湖一周、通称ビワイチに出かける。湖畔から反時計回りにMadone 9.9で走り出したのが8:30頃。特にトラブルはなかったが、琵琶湖大橋を渡って短めの一周を完了したのが19:00近く。夕暮れて寒く暗い中を走るのは辛いものの、否応なく帰り着かなければならないので、結果的に距離をかせぐことができた。実は、ビワイチも初めてなら、150kmも自己最長距離であった。

Relive ‘BIWA-Ichi Ride’


(機材の不調でスタートから最初の休憩地点までの約16kmが記録されていない)

Day 2 – December 25, Tuesday – 73.4km (224.3km in total) 

2日目は山ライドとしてRidge Runnerに乗って、揖斐川沿いに徳山ダムを目指す。順調に日本最大のダム湖まで辿り着いたものの、そこから先は通行止め。峠越えをして根尾川沿いに下るつもりが果たせず、来た道を引き返す。他にも通行止めや工事中が多く、当初予定していた100kmには達しなかった。山間のカフェや食事処もすでに冬季休業に入っていた。冬の山を甘く見ていたようで、少々苦労した次第。

Relive ‘Ibigawa-Tokuyama Ride 1/2’

Relive ‘Ibigawa-Tokuyama Ride 2/2’

(誤って途中で保存したため、走行データが2つに別れている)

Day 3 – December 26, Wednesday  – 78.9km (303.2km in total) 

再びMadoneに乗って、3日目は木曽川と長良川に挟まれた背割堤を快走。その後も、大江川、中江川、長良川、糸貫川、犀川と川尽くし。これらの平野部の川沿いは高低差がほぼゼロ。なだらかで車の往来がない堤防道路は走りやすく、眺めも素晴らしい。オロロンラインを国内最高と思う筆者にとって、これらの河川道路は、それに準ずる素晴らしいコースと言える。

Relive ‘Sewaritei-Nagaragawa Ride’

Day 4 – December 27, Thursday  – 60.4km (363.6km in total) 

4日目からはMadoneとともにサイクリング王国、和歌山へ。この日は移動に時間がかかったので、お昼過ぎから山間の七色ダムを出発して海辺の新宮へ向かう。新宮-北山村ルートの逆順で、熊野川は上流の奇岩断崖の絶景から、下流のたおやかな流れまで変化に富んで楽しめる。しかも、青く透明な川の水の素晴らしさに目を奪われる。普段は自宅近くの川が美しいと思っていたのは、井の中の蛙だったと知る。

Relive ‘Kitayamamura-Shinguu Ride’

Day 5 – December 28, Friday  – 67.1km (430.7km in total) 

5日目は串本から海岸線沿いに和深へ走り、そこから和深-古座ルートを辿る。山間部は最初に急勾配の上りが続くものの、後は緩やかなアップ・ダウンで軽快に進むことができる。ここでも熊野の山林の豊かさや古座川の清らかさが目に麗しい。巨大なモノリスや無数のホールといった名勝も点在している。この日から大寒波が襲来したが、本州最南端のこの地では晴れ間が広がる穏やかな一日であった。

Relive ‘Kushimoto-Kozagawa Ride’

Day 6 – December 29, Friday  – 71.9km (502.6km in total) 

和歌山最終日は和深から白浜へ走り、さらに田辺へと走る。串本-白浜ルートのうち昨日の残りと、白浜-田辺散策ルートの一部だ。山や川と同じように海辺も奇岩や断崖が多く、荒々しい波が打ち寄せる絶景が続く。ただし、複雑な海沿いを巡る道路は曲がりくねり、アップダウンも多い。道幅も十分ではなく、交通量も多いので、快適とは言い難い。さらに寒波の影響なのか、強風が辛いラスト・スパートとなった。

Relive ‘Wabuka-Shirahama Ride’

以上のようにして、6日間でFESTIVE500を無事に完遂した。残る2日間は自転車に乗らず、乗らない贅沢を味わう。実際にも、目標達成の喜びよりも、これ以上走らなくて済む安堵のほうが大きかった。休暇を取って毎日異なるコースを走り、天候にも恵まれた最良の環境ながら、それでも次第に倦怠感が忍び寄ってくる。なんとも贅沢な話だ。来年も挑戦する気概はないと白状しておこう。

ちなみに、最初の3日間は知人のワゴン車に自転車を載せて移動。和歌山での3日間はキャリア付きの普通車で自転車を運んだ。市街地を走らずに済んだり、遠方でも自転車を楽しめたのは本当に有り難い。自転車に乗っていると傍らを走る自動車が邪魔で仕方がないが、自動車に自転車を載せて運ぶのは便利で快適だと思ってしまう。これまた、なんとも我儘な話だ。

一方、出会ったサイクリストが僅かだったのが気になった。欧米のようにクリスマス休暇がないとは言え、半分は休日であったし、自転車に力を入れている琵琶湖や和歌山でもそうだったから、冬のライド文化が浸透していないと言える。慌ただしい年末と冬の寒さに億劫になるのだろうか。だが、路上に出れば普段とは異なる体験が待っている。煩悩を数えるように走る。それはきっと悪くはないはずだ。

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