異論各論あるだろうが、筆者にとって日本国内でもっとも素晴らしい道はオロロンラインだ。北海道の日本海側、小樽から稚内へ至る海岸線の南北ルート。特に天塩から稚内までの県道106号線が素晴らしい。なにしろ、平坦な道が見渡す限り一直線に続く。道路以外に人工物がない。人家もなければ、電柱もない。行き交う自動車も僅か。海と原野の境界を消失点に向かって、ひたすら走る。
以下のビデオでは、稚内の北防波堤ドームを出発して、ノシャップ岬を回ってオロロンラインを南下している。北海道最北エリアの快晴の夏日は、あまりにも爽やかで天にも昇る至高のライド。穏やか風とともに、滑らかな路面を高速走行する快感。そして、利尻富士を前に、こおほねの家に着いたところでビデオは終わる。ここまでで県道106号線の1/4程度であり、さらに美しい道が続く。
電柱電線がなくなるのは、ビデオでは4’30”から。普段は常につきまとうものが、ここでは存在しないことに、何とも言えない解放感を覚える。青い空の下、海と草原を分かつ直線道路が延々と50kmに渡って続く。やがてオトンルイ風力発電所が見えてくる。28基もの巨大な風車が並ぶ圧巻の光景。ここを過ぎると間もなく天塩町。人家や農地が現れ、夢のようなライドは現実に帰着する。