ジャージやビブ・ショーツなどのサイクリング・ウェアは、しばしば「ピチピチ」と揶揄されるように、日常的に着るには無理がある。そこで自転車でショップやカフェを回れるように、普段着に近い街乗りウェアも人気がある。これをさらに進めて、オフィスにも着て行けそうなジャケットも登場している。デスクワークとサイクリングとでは、求められる仕様が違うわけだが、さて、実際にはどうであろうか?
Rapha Lapelled Jacket
シンプルで高性能なサイクリング・ウェアだけでなく、Raphaには遊び心のあるシティ・ウェアも数多い。中でもLapelled Jacketはコットン主体の生地で仕立てられ、白シャツを合わせればビジネスでも遜色ない端正さを持つ。Lapel(折襟)の名の通り、襟を折り返せば胸元を閉じる仕掛けがあり、お得意のピンク素材が現れる。背中のポケットも、これが自転車仕様であることを主張する。季節的には春秋向け。
手足が長い欧米人向けの服は、日本人には丈が長いことが多い。このジャケットも袖口を詰めて着ている。Raphaにはリペア・サービスがあるので、仕立直しにも対応して欲しい。以前にCEOに文句を言ったところ、小柄な彼は「オレにも長いんだ」と苦笑していた。いや、某スーツよろしく顧客の体型データに合わせてカスタマイズすべきだろう。なお、この製品は現在は廃番なので、ぜひ復活して欲しい。
Rapha Shadow Blazer
RaphaのShadowシリーズは、激しい雨でもレースに臨めるように防水性と通気性を両立したウェア。このハイテク機能性素材によるShadow Blazerは、しなやかで軽く着心地が良く、いかにも風を切って進みそう。マットな黒で落ち着いた雰囲気ながら、細身でエッジの効いたカットや極小のスナップ・ボタンがシャープな印象を与える。もちろんライド時には胸元を閉じて、ピンク素材が見えるように襟を立てる。
このブレザーも袖が長い。袖丈詰めは難色を示されたので、内側に折り返している。また、カサカサと衣擦れの音があるのはよろしくない。薄手なので冬には適さない。ともあれ、同じ素材でパンツを誂えて、スーツとして着こなしたい。ミーティングを終えて土砂降りの街へ、傘もささずに繰り出そう。となると、Shadow HatとShadow Bootsも必要だ。サンダルを作っている場合ではない。
Lightweight Stadtwandler
泣く子も黙る高性能ホイールで有名なLightweightは、アパレル製品もリリースしている。その一つがStadtwandlerなるシティ・ジャケット。冬向けの柔らかく暖かいカシミア混合ウールの生地とは裏腹に、過剰なまでにドイツっぽいデザインで、Hugo Bossの軍服を連想させる。胸のポケット・チーフから背中のスリットまで、スパイ道具のような仕掛けが満載で、これでもかと言うほど楽しめる。
毎度のことだが、日本人体型の筆者としては長い袖に閉口する。3つボタンの袖を2つ目まで折り返して丁度良いくらい。袖口の機構が複雑なので、詰めるのは難しそう。なお、日本でも販売されているが、おざなりのWEBページしかなく、発表と同時に発注して何ヵ月も待たされたほど商売気がない。ただし、本国での価格€599(約77,000円)に対して68,000円(税抜き)は良心的で有り難い。
> サンダルを作っている場合ではない。
壮大に笑いました。
確かに専用ジャケットってあまりないですね。
narifuriとかでもジャケットは出ていますが、自転車用かというと、ライドから降りたスタイルなのかなぁなどと思ったりします。
そうですね、自転車通勤しているビジネスマンがどうしているのか知りたいところ。着替え携帯かな?