GarminのVaria Visionは、眼鏡に取り付けるサイクリングやランニング用のウェアラブル・ディスプレイ。これ自体は単体では動作せず、同社のサイクル・コンピュータEdgeシリーズなどの情報を受け取って表示する。単なるディスプレイなので、Recon Jetに比べて小型軽量になっている。しかし、出くわした人はギョっとするに違いない。サングラスのように見慣れるまでは、何年もかかりそうだ。
さて、Garminに慣れている人なら、すぐにVaria Visionを使えるはずだ。EdgeでセンサーとしてVaria Visionを接続するだけで、眼の前に数値やグラフなど情報が浮かび上がる。Variaレーダーでの車両接近も自動的に表示される。さすが専用機ファミリーだけのことはある。見え方はシースルーではなく、黒い領域が視野の一部を占める。単眼表示なので、両目なら半透明っぽく見えるわけだ。
Varia Visionの側面を指でスライドすれば、表示内容か切り替わる。どのような情報を表示するかは、Edgeで設定する。何画面持つか、どのようなレイアウトを使うかも指定できる。これはEdge自体の画面設定とほぼ同じだ。数値表示が多く、グラフィカル項目が少ないのは残念。移動中の情報提示は直観的であって欲しいが、機器の性能不足か、Garminでは数値表示が多い。
Recon Jetの視界下部に対して、Varia Visionでは視界中央に画面がある。これは一長一短で、前方を見る視線を動かさずに済む一方で、常に存在する画面は鬱陶しく感じる。また、画面と前景とは焦点距離が違うので、同時に見るのは疲れてしまう。この手のディスプレイは盛んに取り組まれているが、最適解は未だ存在しない。もっとも「画面を見る」のは本質的に無謀かもしれない。
ところで、Varia Visionは様々な眼鏡に取り付けるために、アタッチメントが工夫されている。ただ、個人差や形状の違いも大きく、Raphaのサングラスでは、テンプルの折り曲げ箇所を超えて前方に取り付ける必要があった。また、筆者が常用するヘルメット・シールドには対応していない。輪ゴムで仮留めして見易い位置を探りつつ、固定方法を考えている。妙案があれば、ご教示いただきたい。