Bellcycleを組み立てる

今我々が日常生活で使用している自転車は、自転車の中央部にペダルやクランクがあり、ペダルを回すとチェーンにより動力が後輪に伝わる。その構造は、自転車の歴史上では「セーフティー型」と呼ばれるスタイルの構造で、このような構造になることで以前より安全になったということから、このような名前になった。

ハイホイーラー (wikipediaから)

それでは、このセーフティー型が登場する前の自転車はどうだったのだろうか。セーフティー型の前はチェーンを使用せず直接、駆動する車輪をペダルで回しており、その時の駆動輪は後輪ではなく、前輪だった。それがハイホイーラー(High Wheeler)またはペニーファージング(Penny Farthing)と呼ばれる自転車の形態であり、結論から言うと今回の記事で紹介する自転車、Bellcycleは、このハイホイーラーの特徴を引き継ぎながら制作された自転車だといえる。制作者のホームページはこちらである。

3Dモデルを見ながら組み立てていく

つまりBellcycleは、ペダルを踏み駆動輪である前輪を回して前進する。しかし、よく見てみるとチェーンもまた使用しているのが分かる。このように、Bellcycleは、ハイホイーラーのような特徴を活かしつつ駆動しやすく工夫されており、後についてくるだけになる後輪を、カーゴのようなパーツに取り換えることも可能だという。つまり、単なる昔の自転車の再現ではなく、その特徴を生かし新しい自転車を作ろうとした意図が見られる。

制作者のホームページから

そこで、今回このBellcycleを組み立てる機会に巡り合えた筆者(sy)なのだが、最初送られてきた材料を見たときは、唖然とするしかなかった。それは自転車の写真を詳しく見てないまま材料が入った袋を開けたから、もっと驚いてしまった感もあるが、それにしても、ここまで部品が「ばらばら」の状態で来るとは思わなかったのである。実は、Bellcycleはそもそも各自が自分たちの用途に合わせて形状を変えれるように構想が練られていて、そのため溶接などの技術を使用せず組み立てることができるようになっている。

アルミの板材とハンマーナット

そこで、筆者は一つずつ資料をみながらパーツを組み立てて行った。形状を成す部品は主に5mm相当のアルミの板材である。それが筒状になるように組み合わさって、フレームの機能を持つのである。結合は、ハンマーナットをアルミ板に作られている溝に入れて、ボルトで締め付けるだけだ。しかも、いくら5mmの厚さとはいえ、アルミの板にハンマーナットのために複雑な溝を作っているので、どうも強度面で不安に見える。

ボルトが置くまで入り切らないこともある

そして、そもそもハンマーナットが溝に完璧には入らないこともあった。そもそも、アルミ板の状態も何かの完成品という感じではなく、つい先フライス盤かレーザーカッターで切られたような仕上がりで荒い感じだった。しかしそれは、各自がただ組み立てるのではなく、自分の意図に合わせ「制作」することを意識した自転車だからこそ、「とりあえずこんな感じなので、各自が自由に作ってくれ」という感覚なのかも知れない。

その時は何枚かワッシャを使うように、とマニュアルに書いてあった

そういう状況は、制作が大部分終わった時、チェーンをかけようとした時も起こった。不思議なことに、Bellcycleではチェーンを長くして一回ループさせている。つまり、一か所がねじれていてメビウスの輪のようになっているのだ。そしてこれをいくつかのプーリーにかけて、メインのクランクに繋がっている。そうすることで、ギア比率を大きくし、走行性を上げているのである。

ループが逆だったチェーン

しかし、いくらチェーンを掛けようとしてもチェーンの様子がおかしい。部品として入ったチェーンは、ねじれている方向が逆だったのである。そこで製作者に問い合わせたところ、「ふむ、確かに逆に見えるので、チェーンカッターに一度外して直してみてくれ」と返答が返ってきた。やはりここでも「自分で作る」精神が見える。

試乗するのが楽しみである

現状、Bellcycleはチェーン以外の部分がほとんど組み立てられた状態で、近いうちにチェーン掛けを行い試乗する予定である。その時に、この特殊なフレームと駆動システムによる感覚について、また述べていこうと思う。

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