

2026年2月7日から15日まで、ギャラリー南製作所(東京都大田区)で、個展《モビル文学 多摩川アンセム・フォー・マイセルフ》 を開催する。今回の個展は、令和7年度文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業 国内クリエイター発表支援プログラムの成果発表として発表を行い、キュレーションを對中優、アートディレクションを瀬川晃が担当する。また制作協力としてIAMAS運動体設計プロジェクトが本展覧会に携わっている。
「モビル文学」は、自転車による移動と投影技術を文学表現と融合させることを目指した連作です。映像装置に改造した自転車を用いて、各街を舞台に執筆したテキストをその土地の地面に投影しながらサイクリングします。
志村翔太にとって国内初の個展となる「モビル文学 多摩川アンセム・フォー・マイセルフ」では、作家が生まれ育った川崎サウスサイド・多摩川沿いの「こちら側」と、長すぎた修養の間にずっと自宅から眺め続けた羽田空港が位置する川を隔てた反対岸の「あちら側」を舞台に制作した「モビル文学」の新作を発表します。《モビル文学 多摩川アンセム・フォー・マイセルフ》 展示概要より引用
会 期:2026年2月7日(土)– 2月15日(日)
時 間:12:00 – 19:00 ※ 2月9日(月)休廊
会 場:ギャラリー南製作所(東京都大田区西糀谷2丁目22−2)
入場料:無料
生まれ育った街を拠点とした制作の様子やサイクリングを続ける中での気付きは先月の記事に書いた通りだ。
「モビル文学」は現在2年以上続くプロジェクトであり、クリティカル・サイクリングのブログにも多く記事を書き残してきた。これまで制作場所への滞在が短期であるため、自転車の調達やテキストの執筆、場所のリサーチも期限付きであることが多かったが、今回は見知った土地、あるいは毎晩細かい調整が出来る環境でゆっくりと制作を進めることが出来た。作品は志村か生まれ育った川崎サウスサイドと多摩川の東京側河口にある羽田空港と密接に関わる。
展示タイトルの「アンセム・フォー・マイセルフ」は言うまでもなく志村翔太による志村翔太への人間讃歌である。「モビル文学」において作家の自転車の扱いはどこまでも私的なもので、真夜中に寒さに耐えながらプロジェクターを使って街に小説を書いている間は本当の孤独と絶望を噛み締めている。作家にとっての場所が持つ意味とタイトルの2つを踏まえ、本展示はこれからの未来への「宣言」になると思う。
村上春樹が「デタッチメントからコミットメント」へ作風や社会への眼差しを変化してきたように、ビートルズがアルバムごとに作風を変えていったように、クリティカル・サイクリングを主催する赤松正行がMax、iPhone、自転車と興味の対象を変えてきたように、いま、自分も過渡期にあると思うのだ。
まだまだ準備は続く。しっかり最終調整と搬入をやり切り、めいめいのお客さんと向き合い、撤収を終えたその時に続く道が示されているのかもしれない。人類全員を歓迎する!