前々回の記事では、新作は複数のキットを自転車に取り付けた状態で同時撮影を行う制作を進めると伝えた。だが、展示形式をシアター上映に変更したため、作品の構成要素を見直すことにした。
当初は、複数のディスプレイを用い、自転車と装置の関係性をインスタレーションとして空間的に再構成する構想であった。しかし、単一のスクリーンと向き合うシアター環境の座って鑑賞する体験に合わせ、映像そのものの強度に焦点を絞ることにした。
《Light on Earth》は建築がもつ潜在的な映像メディア的側面を掘り起こすことに作品の意味があると考えている。従来の《Light on Earth》は一つの模型で長回しを行い、周囲の光環境のを自転車上で定点観測的に捉えてきた。対して今回は空間の窓が増える表現により空間そのものが徐々に変化を帯びて光の運動が変わっていく映像の構成で検討を進めている。
下記は変化する空間のイメージである。これらの模型を制作し、同じ画角で撮影、編集して繋ぎ、画像ように物理的な空間変化が現れる映像作品となるようにする。




時間軸の中で空間の差異が提示されるため、建築による光の空間とその映像性がより一層、鑑賞者に伝わればと考えている。また、上映される映像は大画面スクリーンの没入感と相まって、空間体験として鑑賞者に経験してもらえるのではと期待している。