テイチライド 03:カメラを選ぶ

自転車に乗り始めSNSアカウントも開設した。何をどう伝えるべきか、まずは模索した。当初は、雰囲気の良い休憩場所や信号待ちの風景などを撮影し投稿していた。これは記録にはなるが、どうにも気分が盛り上がらない。

自転車で出かけて休憩時に撮影
新吉原の端っこにある台東区立吉原公園での休憩時に撮影。「お歯黒どぶ」の高低差がわかる。
吾妻橋交差点での信号待ちの時に撮影。

私にとって、自転車の醍醐味は走っている時間である。その走行中の状況を残したいが、走りながらの撮影は非常に難しい。ノーファインダーでの撮影では、面白い映像は撮れないし、危険も伴う。

InstagramやYouTubeで自転車関連の動画を観察したところ、乗り手自身が主人公の映像が多いことに気づいた。路面にカメラを置いて通り過ぎる自分を撮ったり、並走者に街中でのすり抜けを撮ってもらったり、360度カメラで激坂を上る姿を撮影したりしている。

私は、自分が乗車している時に見える風景を撮影したい。静止画では難しいが、動画なら可能ではないかと考えた。撮影にかかる手間は極力減らしたいところだ。まずは手持ちの機材で試すことにした。

機材による試行と課題

一つ目は、イベント記録用に所有していたZOOMのハンディビデオレコーダー「Q2n-4K」である。これをハンドルにマウントして走行した結果、カメラは傾き、ブレが激しく、全く見ていられない映像となった。明暗の調整も遅すぎる。この経験から、手ブレ補正と水平維持機能の重要性を痛感した。

Q2n-4Kで撮影した自転車走行動画。映像がかなり揺れるので、映像酔い注意。

次に、手元にあるGoogleのスマートフォン「Pixel 4a」を使用した。チェストマウントで撮影すればブレが少ないという情報に基づき試行した。Q2n-4Kよりブレは大幅に軽減されたが、まだ気になる。

走行スピードによって体勢が変わるためカメラの角度が変わり、ティルト方向の写る範囲調整も難しい。また、画角が狭いという問題もあった。さらに、停止時などに咄嗟にスマホで写真や地図を見ようとすると不便である。チェストマウントは準備が大掛かりで、見た目も目立つため、休憩時のコンビニへの立ち寄りにも抵抗があった。

撮影した映像は、DaVinci Resolveでテロップを入れ、手ブレ補正機能で補正を試み公開した。編集作業を通じて、二つの大きな課題が見つかった。

編集作業で浮上した課題

一つ目の課題は、編集ソフトがまともに動作しない点だ。使用しているPCは2016年発売で、グラフィックボード非搭載、メモリも少ない。最新版のDaVinci Resolveは動作が遅すぎたので、古いバージョンを入れ直した。編集画面でのプレビュー再生はコマ落ちし、細かな編集は困難を極めた。スマホアプリでの編集も細かい作業には不向きだ。

二つ目の課題は、データ容量の大きさである。数十分の映像で数十GBに達してしまう。走るたびに撮影を行うと、莫大なストレージ容量が必要となる。この状況をどうにか解決する必要があった。

短尺動画への着想

引っ越しを機に自転車を購入した経緯がある。荷物整理の際、2000年前後に使用していたビデオテープカートリッジに記録するビデオスチルカメラ、ソニー「Ruvi」で撮影した映像を収めたビデオテープが出てきた。

Ruviで撮影した秋葉原の風景(2002年)

このカメラの特徴は、シャッターを押すと5秒間映像が撮影できること。当時の映像を見ると、テンポ良くカットが切り替わり非常に楽しい。短い映像を撮ることで、データが軽くなり編集も楽になるのではないかという着想を得た。今の時代にも同様の撮影が可能なカメラがあるといいのだが。

アクションカメラの選定

手持ち機材には限界がある。「餅は餅屋」で、アクションカメラ関連について調査を始めた(2021年秋~冬)。

ブレ補正や水平維持機能、自転車につけた時に周囲に威圧感を与えないコンパクトさも重要視しして、以下のカメラに絞った。

機種概要
DJI Osmo Pocket 2バーの上にジンバルが付いたようなカメラ物理的にブレ補正や水平を維持する形状的に自転車への固定は難しそう
可動部があるので不意にぶつけた時の故障リスクが高そう
Insta360 X3バー上の筐体の前後に前後2つのカメラで全方位を撮影できる画角などを気にせずに撮影できる
今までにない映像体験を得られそう。
撮影データ容量が大きくなりそう
他の機種と比べ大きめで存在感が大きい
価格が高め
Insta360 Go 2カメラと充電ケースが分かれる
カメラは親指サイズのコンパクトさ
目立たないので威圧感が少ない
比較的安い
本体にはディスプレイが付いてない
バッテリー容量、メモリ容量が少ない
最大解像度が1440p@50fps
アクションカメラ比較表

レビュー動画を確認すると、物理的なブレ・水平維持に対応するOsmo Pocket 2は優位である。しかし、他の機種もソフトウェア処理の精度が高く、実用上の問題はなさそうである。

X3の全方位撮影は新しい映像体験をもたらす。しかし、走行中に視界に入っていない部分を後から切り出すのは、自転車の乗車体験とは異なると感じた。

Insta360 Go 2は、カメラが向いた方向を視野角120度で撮影できる。撮影後に画角を決めて書き出しができる点は、X3よりも乗車体験に近い。また、GoProマウントの充電アダプタがアクセサリとして登場し、走行中の給電が可能になった。

さらに、既存の課題を解消するトピックがあった。15秒撮影モードの搭載と、64GBモデルの発売である。これらの情報はGo 2のデメリットを解消するものであった。

長時間の連続撮影とデータ容量の少なさという懸念が払拭された。小型で目立たない点も評価し、Go 2が私の求める条件をほぼ満たしていると判断し、2021年の年末にInsta360 Go 2を購入した。

次回は、Insta360 Go 2を用いた撮影、ポストプロダクション(編集)、そして発表について記述する。

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