クリティカル・サイクリングのWEBサイトの記事の断片が浮遊(Flow)するWEBアプリ「Critical Flow」を作成した。使い方は簡単。藍よりも深いブルーの空間をぼんやりと眺める。いくつかのテキストや写真、動画がゆっくりと現れ、しばし止まり、そしてゆっくりと消えてゆく。気になる断片をタップすれば、元の記事が現れる。ただ、それだけ。それが快楽へと繋がっていく。
ある種の瞑想のように記事という記憶が浮かび上がる。知らなかったことに感心し、忘れていたことに苦笑する。直接的な関連がない断片と断片が偶然に出会う。無音の静かな時間が続く。時には動画の音声や音楽が流れて驚くかもしれない。できればフルスクリーン表示で堪能して欲しい。画面からは離れて放置しても良いだろう。アンビエントであり、ジェネラティブな環境になる。
数日前、思い立って、おおまかな仕様を書き、生成AIのClaudeに投げた。ありがちな処理なのだろう、意図していた動作に近い表示が現れる。Artifactsを見ながら調整を指示して、2〜3時間後には納得できる状態になる。JavaScriptによるコードは1255行、HTMLやCSSを含めると全体として1583行だ。ちなみに、筆者はWEBエンジニアリング経験はほぼゼロ。オプティカル・フローとも関係はない。
なぜ、ふと思い立ったのかと言えば、まさにこのクリティカル・サイクリングのWEBサイトゆえ。今や1,100編を超える記事があり、多くの執筆者によって多彩な内容が集積している。もはやすべてを把握することは不可能。検索機能や一覧表示があるものの、それらだけでは不十分。能動的な探索には人間の能力の限界がある。そこで受動的な偶然の邂逅によって補完しよう、と考えた次第。
さらに言えば、現在企画進行中の展覧会で、クリティカル・サイクリングの活動を紹介する目的もあった。そのためには説明文を掲げ、実際の閲覧を提供するのが順当。しかし、これまたそれらだけでは不十分。むしろ展覧会という場では、このような曖昧ながら好奇心を刺激する(かもしれない)仕掛けが相応しい(かもしれない)。乞うご期待。



