Visions in Motion 4:バランス/アンバランス

生命レベルでは、私たち体内の60兆の細胞は絶えず入れ替わり、バランスを取りながらも、生から死へと進んでいる。形あるものが生まれ、形のないものへ壊れていく。そんなことを考えながら、あえて無目的に形を作ってみる(バランスを意識しながら)。

材料と手法は、安価に入手できるストローを基本とし、ジョイントとなる部材(レーザーカッターで切り出したアクリル板)によって6方向に組み上げる。フィンランドの伝統装飾「ヒンメリ」のようなフレキシブルな角度では構成できないが、90度単位でストローを接続していく。

作ってみて感じたことは、対象的な構造はバランスが取れていることに合点がいくが、非対称でありながらバランスが取れてしまうことに魅力を感じる。物体の重心を想像しながら、その運動に共感を覚えることが魅力なのかもしれない。ステップモビールという釣り合いの仕組みを利用してみたところ、ジョイントの重さは検討の余地あり。

モビール(動く彫刻)は1930年代から制作されたアレクサンダー・カルダーの代表作であり、1920年代よりブルーノ・ムナーリもまた「役に立たない機械」という吊り下げるキネティック・アートを発表している。

参照

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA