Cycle ── 自転車をめぐる散文詩の試み その6

「自転車をテーマに詩を書け」と依頼され、それに応えて400文字を書く、という詩の6回目。イランに行った。出かける前、赤松さんとイランは自転車の国ですねとか言い合って、レポートしますよと約束したものの、実際にかの地で自転車を見かけることはなかった。実際ハイパー自動車大国で、あてははずれた。僕が運転するわけじゃないので基本タクシーだけど、テヘランでは同乗者から「カミカゼ・タクシー」という死語が飛び出す始末。タクシーだけで無くすべてのドライバーが車間距離、車線変更、追い越しという概念に共通した解釈を所有している。歩行者も同じだから自動車並みに道を横断することができる。全員がルールを共有すれば独自解釈で事故は起こらないプロトコルが導かれる。いや起こらないことはなく、バイクが転倒する事故は見かけた。直感的な感想だが、二輪車はこのルールに入り込み難いだろう(自転車も)。自転車大国とは夢物語だったのか。

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