バイシクル・フィルム・フェスティバルへ行こう、スマートフォンで

バイシクル・フィルム・フェスティバル(Bicycle Film Festival 2022 Tokyo Virtual)が9月8日から10月10日まで開催されている。自転車を題材として短編映画を中心に13本、合計2時間近くの充実したラインナップ。期間中は何度でもオンラインで視聴できるので、すぐにでも見始めると良いだろう。ドキュメンタリーからアニメーションまでたっぷり楽しめる。日本語音声または日本語字幕付きだ。

バイシクル・フィルム・フェスティバル 2022 東京 バーチャル

会期:2022年9月8日 0:00 〜 2022年10月10日 24:00
料金:2,000円
公式サイト

この手の映画祭は勝手ながら、仲間と愉快にお洒落ライドとか、過酷で英雄的なロード・レースといった雰囲気を想像していた。もちろん、そのような要素もあるものの、社会的な問題と自転車の関わりを内省的に伝える重厚な作品が多いことに驚かされた。それも単に重苦しいのではなく、冷静な眼差しと未来への期待が伝わってくる。我が身の怠惰な日常を猛省し、何度も見返したくなる佳作揃いだ。

それではバイシクル・フィルム・フェスティバルの上映作品を簡単に紹介しておこう。

東京バーチャルへのメッセージ
バイシクル・フィルム・フェスティバルの創設者ブレント・バーバーからのメッセージ。

BICYCLE USA / 2015 / 1 min
オープニングを飾る自転車をモチーフとしたポップで可愛いアニメーション。

LAGOS BMX CREW Nigeria, UK / 2018 / 12min
ナイジェリアで見よう見まねでBMXを始め、貧困を抜け出し悪習を断ち切ろうとする若者たち。

KEIRIN: LEADRE DON’T CRASH Japan / 2011 / 6min
日本のケイリン(競輪)を紹介し、スポーツでありギャンブルである競技を考察する。

THIS IS WHEN WE MET USA / 2015 / 3min
自転車をきっかけに恋に落ちる男女のショート・ストーリー。

KING OF THE MOUNTAIN UK / 2015 / 9min 
民族大虐殺の傷跡が残るルワンダで、ロード・レースのチームとして団結を目指す。

HUNTRESS USA / 2018 / 5min
ニューヨークの女性メッセンジャーへの偏見と超克を独白と走行映像で描く。

OSAKA Japan / 2018 / 4min
大阪の街や周辺の自然を家具職人と写真家のサイクリストが紹介する。

DELTA OF SPIRIT USA / 2020 / 18min
240マイル(約386km)を48時間で走るグラベル・ライドに挑戦する人々を描く。

THE BIKE STORIES USA / 8min
3つの短編からなる自転車の物語が、テンポの良い映像で小気味良く語られる。

THE CLIMB USA / 2017 / 7min 
2人の男がヒルクライムに喘ぎながら三角関係の女性について叫ぶ。

I RIDE MY BIKE WHEN THE AIR IS CRISPY USA / 1min
ケロケロ声のボーカルと軽妙なリズムが楽しい自転車ミュージック・ビデオ。

MAMA AGATHA Netherlands / 2016 / 16min
アムステルダムで移民の女性達に自転車の乗り方を教えてきたガーナ人女性を紹介。

LEO RODGERS USA / 2020 / 11min
交通事故で片足となった青年がロード・バイクから背の高い改造自転車まで乗りこなす。

ところで、最初にバイシクル・フィルム・フェスティバル「東京」がオンラインで開催と聞いて目が点になってしまった。これはパンデミック以前に東京の映画館で開催されていた名残りらしい。主宰者は、今回はバーチャルだけど近い将来にフィジカルに東京に戻ろうと言う。おいおい、それは勘弁して欲しい。今さら狭い劇場に閉じ込められたくない。時間と空間を走り抜ける自転車だから、なおさらだろう。

世界各地の開催状況

バイシクル・フィルム・フェスティバルは2001年に始まり、ニューヨークを拠点として90以上の都市で開催されてきたそうだ。それゆえに伝統的な考えが方があるものの、オンライン上映を中心に新しい開催形態を模索中のようだ。新型コロナウイルス感染症に対する意識が変わりつつある昨今、単に元に戻るのではない、新しい日常における新しい祝祭を実現できるだろうか。

また、新型コロナウイルスを扱った作品がないことに違和感を覚える。誰もマスクをしていないし、大声で叫び、抱き合っている。制作が新しくても2020年だから、パンデミック以前の撮影なのだろう。ならば今後はニューノーマルなシーンが増えるだろうか。バイシクル・フィルム・フェスティバルは公募制なので、新しい時代の新しい自転車映画が登場することを期待したい。

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