自転車関連法令の条文一覧

自転車は左側を走れ!(道路交通法 第十八条)から、電動アシスト自転車が遅いのは何故?(道路交通法施行規則 第一条の三)まで、あるいは自転車は税金を払わなくていいの?(法令が存在しない)や、競輪でバクチしてるのは何故?(自転車競技法 第一条)など、社会的存在である自転車は法律によって様々な制約を受ける。そこで、自転車を取り巻く法律の内容をまとめておこう。

インフォメーション・テクノロジーによって適切かつ迅速な行政を行う日本国政府は、誰もが簡単かつ的確に利用できるインターネット上のワン・ストップ窓口e-Gov(イーガブ)を開設している。なかでもe-Gov法令検索は「現行施行されている法令(憲法、法律、政令、勅令、府令、省令、規則)を検索できます」となっているので、自転車関連の法令を洗い出すことができそうだ。

まず、何も考えずに検索ボックスに「自転車」と入力して検索してみる。一瞬で結果が表示される。なんと「該当件数10件」、ビックリするほど数が少ない。実はこれ、デフォルトのタブが「法令名」(法令名の用語索引)だからで、法令の名称しか検索していない。しかも略称法令名検索がオンになっている。Googleに準拠すべしとは言わないが、煩雑で混乱するユーザ体験は御免こうむりたい。

ともあれ、気を取り直して他のタブを試してみる。五十音、事項別、法令番号と続く。意図が分からないでもないが、安易な仕様書で律儀な仕事をした無残な結果に思える。そして、なぜか少し離れた最後のタブ「法令用語」(指定した用語を含む法令の一覧)が、今回の目的に合致していた。ただし、法令用語が全法令の串刺し全文検索に相当するとは想像できない。

さて、自転車の法令用語検索の結果は「該当件数189件」で、法令名と法令番号がリストとして表示される。各欄左側の「選択」ボタンをクリックすると、その法令の全文が表示される。これは「選択」ではなくて「表示」であり、設計者の日本語能力は大丈夫だろうかと心配になる。また、法令文表示では、ご丁寧にも検索用語が赤字になる。筆者は素人ながら、アクセシビリティについて教えて差し上げたい。

法令用語検索では、法令ごとに189回クリックするのに脱力する。また、長い法令文をスクロールして自転車を目で探すのも眼精疲労を引き起こす。そこで知人に依頼して自動処理のスクリプトを作成、該当する法令文を抜き出してまとめた(2018年5月29日実施)。これはテキストだけでも1.5MBほどになり、本サイト(WordPress)の本文としては扱えない。そこで、独立したHTMLファイルとして公開する。

このようにして作成した自転車関連の法令条文一覧をつらつらと眺めていると、自転車を取り巻く法律的状況が見えてきそうだ。何が書かれているか、そして何が書かれていないか、を考えながら読んで行こう。なお、可読性を高めるために、隅付き括弧内の法令名と条番号は太文字で、自転車の文字は赤い太文字でサイズを大きめにしている。さらに、条文と条文の間には空白行を入れている。

今回の処理では項以下を細分化して抜き出していないので、自転車には関係のない項文も含まれている。ただ、項同士は並列関係になるので、関連する事柄を知ることは無駄ではないだろう。また、表や図版を含む法令文をテキストとして抜き出すと、意味が分かりにくくなる箇所がある。さらに、e-Govで検索できる法令には、自治体ごとの条例は含まれていないことにも注意が必要だ。

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